プログラムレポート
木の声でプログラミング! 講座の様子(2022年11月19日開催)
公開日:2022年11月30日
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しごと・ものづくり講座
11月19日はNPO法人樹木いきいきプロジェクトの喜多先生、和田先生、高橋先生にお越しいただきました。
今回はMESHを使った親子講座です。
木の声を使ってプログラミングをするということですが、どういうことでしょう?
樹木のお話
プログラミングを始める前に、樹木のことについて樹木医の喜多先生がお話してくれました。
一時期、木に聴診器を当てて水が流れている音を聞くようなことが流行りましたよね。
実際どんな音が聞こえるか、聴診器を使って聞かせてもらいました。
「ガサガサ鳴っていた」「ごうごう鳴っていた」と色々な意見がありましたが、これは木の中に水が流れている音ではありません。
木が水を吸い上げる速さは1時間に数10センチくらいの速さで、水道管のように勢いよく水が流れているわけではありません。
ガサガサやごうごうというのは、聴診器と木がこすれている音や、エアコンの音なんじゃないかな?と先生が言っていました。
樹木医さんのお仕事についても紹介してくれました。
傷ついた木に、ばい菌が入らないように薬を塗ったりするのも樹木医さんの仕事です。
世界の色々な木も紹介してくれました。
大きな松の木やカラフルなレインボーツリーなど、世界には色々な木があるんですね。
レンガが敷き詰められているところでも、頑張って根を張る様子などもお写真で見せてくれました。
大きな松の木は人間と比べるとこのくらいです。
とっても大きいですね!松ぼっくりも日本の黒松の松ぼっくりと比べてもとっても大きいです!
植物にとっての食事とは何でしょう?
喜多先生は「水が主食で、肥料がおかず」と教えてくれました。
まずは水がないと植物は育ちません。そしてより健康に育つためには肥料が必要だということですね。
喜多先生に木のことを教えてもらったら、いよいよMESHを使ったプログラミングにチャレンジです。
MESHにチャレンジ!
プログラミングについては和田先生が教えてくれます。
MESHは、様々な機能が付いた7種類のワイヤレスブロックのセットです。
ボタンスイッチのブロックやLEDライトがついていて光るブロック、動くものを感知するセンサーがついたブロック、ブロックそのものの動きを感知するブロックなど、色々なブロックがあります。
それぞれのブロックをタブレットの中で紐でつないでいくことでプログラムを作ることが出来ます。
まずボタンスイッチブロックと、LEDライトブロック、動きセンサーブロックと人感センサーブロックを使ってやってみましょう。
試しに、「ボタンスイッチを押したらLEDが光る」と「動きセンサーブロックを振ったら音が鳴る」プログラムを作ってみました。
画面の中でブロック同士を順番に紐でつなげると、それだけでプログラムの出来上がりです。
出来たら早速やってみましょう。
上手く動きましたね。
次に、和田先生が用意してくれたロボットアームとMESHを連動させます。
アームのほうにはあらかじめ動きが設定してあり、MESHのGPIOブロック(色んな信号を受け取ったり、発信したりするブロック)とつながっています。
そこで、こんなプログラムを作ってみます。
「動きセンサーを振るとアームが肥料(今回は木のブロック)をつかんで鉢植えまで運び、ボタンスイッチを押すとアームが元の位置に戻る」
どうやったら、MESHの無駄な線を伸ばさずに、うまく作れるでしょうか?
ボタンを押すと、信号を受け取り、肥料をつかみにいく動きをさせるように信号を送るブロックをつなぎます。
動きセンサーを振ったら、その信号を受け取り、アームをモンステラの鉢があるところに動かすように信号を送るブロックをつなぎます。
これで準備完了です。
試しに、それぞれのブロックを使ってアームを動かしてみました。
プログラムそのものはデジタルで動きますが、アームや植物の位置は微調整が必要です。
何度か調整をして、やっと成功しました!
ここまで出来たら、今度は木の声を使ってアームを動かしてみましょう。
でもどうやって?木の声ってどうやって聞くの?
実は、こんな方法で木が感じていることを知ることが出来ます。
心電図を取る時に使うパッドを葉っぱにつけて、葉っぱからの信号を受け取れるようにします。
植物の葉っぱは、掴まれたときと揺らしたときとで違う電気信号を出します。
掴んだときは、そこだけグラフがグンと沈み込んでいますね。
揺らしたときは大きな波がグラフに現れます。
この形の違う2つの電気信号をスイッチにして、GPIOブロックで受け取れるようにします。
まずは、最初にやった「LEDを光らせる」「音を鳴らす」のスイッチを、植物の電気信号にしてみました。
先ほどのボタンスイッチと動きセンサーのところを、葉っぱからつなげているGPIOブロックと入れ替えます。
すると、音や光を出すプログラムも、葉っぱに触ったらLEDが光るように、風に吹かれたら音が鳴るように変わりました。
プログラムが動くということは、植物が生きて、触られたり、風が吹いたときに違う感じ方をしている証拠ですね。
基本のプログラムが出来たら、今度は肥料をあげてアームを戻すプログラムに応用してみましょう。
GPIOブロックの設定が少し難しかったですが、難しいところは先生が教えてくれました。
上手い具合に、「葉っぱを触ったら肥料(木のブロック)をつかんで鉢植えまで運び、風が吹くとアームが元の位置に戻る」プログラムが出来ましたね!
大成功です!
植物も生きているので、何度も触っていると疲れてきてしまうと喜多先生がおっしゃっていました。
上手く反応しないのは、そういう理由もあるんですね。
自分でアームを操作して、ブロックを運ぶ、手動運転にも挑戦してみました。
植物も生きていること、そのためには水や肥料が必要なこと、植物も外からの刺激を感じ取っていることなど、色んなことを知ることが出来ました。
またの開催をお楽しみに!