プログラムレポート
デジタルイラスト入門 講座の様子(2023年11月18日開催)
公開日:2023年11月25日
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しごと・ものづくり講座
11月18日はゲームクリエイターの岩本三四郎先生にご協力いただき、「デジタルイラスト入門」の講座を開催しました。
▼前回の様子はこちらをご覧ください。
先生もゲームを作る時に使っている「ファイアアルパカ」という無料のペイントツールとペンタブレットという道具を使って、デジタルイラストのテクニックを学びます。
ペンタブレットの上で専用のタッチペンを動かすことで、パソコンの画面に絵が描けるというのが、基本的なペンタブレットの仕組みです。
ファイアアルパカにはいろいろなタイプの筆記用具の表現が可能で、ペンタブレットは筆圧を細かく感知してくれます。紙に描くよりも繊細な表現ができるようになっています。
まず最初に下描きをします。
デジタルイラストに慣れてきたら下書きからデジタルで描くこともできますが、今回は紙と鉛筆で描きます。
自分が持ってきた絵を見ながら描いたり、オリジナルのキャラクターを描いたりしました。
紙の大きさに対して半分以上の大きさで描くと、パソコンに取り込んだ後により細かいところまで描き込むことができます。
紙に描いた下描きをスキャンしたら、ファイアアルパカに取り込んで、薄い青で表示されるようにしておきます。青くすることで下書きと新たに引いた線との区別がしやすくなります。
ここで先生が、デジタルのイラスト作成で大事な考え方を教えてくれました。
デジタルのイラスト作成では、「レイヤー」という「透明な層」を重ねながら色々なパーツや作業ごとに分けることが出来ます。
レイヤーごとに線の強弱、色、体の箇所など別々のパーツに分けて作業することで、間違いを修正するのが簡単になります。
早速、下描きのレイヤーの上にペン入れのレイヤーを作って、ペン入れ作業をしていきます。
ペン入れ作業にもデジタルならではの大事なテクニックがあります。
デジタルのイラストは、限られた大きさの画面の中で作業をするので、細かいところの作業をする時は「拡大」をして作業をします。
スペースキーを押しながらペンを動かすと絵を手で移動させたようになり、見たい箇所が見られるようになったり、マウスのダイヤルで拡大縮小ができます。色々なテクニックを覚えると作業性がどんどん上がります。
ここで先生が効果的なペン入れの方法を教えてくれました。線の太さを一定ではなく、強調したい部分を意識的に太くします。線の見た目に強弱が生まれて、より魅力的な絵になります。
上が太さが一定の線、下が強弱をつけた線です。少しの違いなのに印象がだいぶ変わりますね。
皆さんそれぞれのスピードでどんどんペン入れを進めていきます。
色を塗る時にも、「レイヤー」が役に立ちます。
初めに先生が教えてくれたように、下描きレイヤーと、ペン入れレイヤーの間に色を塗る用のレイヤーを作ります。
そうすると、きれいに描いたペン入れの線の下に色を塗ることが出来るんですね。
線と色が重なっても、線の上に色が重なってしまうことがないので、とっても便利です。
また、デジタルイラストならではのテクニックとして、レイヤーごとに効果を付けることができます。上のレイヤーに「乗算」「加算」「オーバーレイ」などの効果を設定すると、レイヤーの重なった部分を明るくしたり暗くしたり混じった色にしたりすることができることを教えてくれました。早速使っている人もいました。
基本的なテクニックを先生に教えてもらったら、あとは皆さんそれぞれにイラスト作成を進めていました。
手元を見ずに画面を見ながらペンを走らせるというペンタブレット独特の方法に最初は戸惑いもありましたが、講座の後半にはどんどん絵が描けるようなりました。皆さん習得が早いですね。
「ファイアアルパカ」の基本的な使い方や、上級テクニックは「ファイアアルパカHub」にたくさんまとまっています。動画で紹介されていて、とても解りやすいので是非見てみてくださいね。
最後に、絵が上手になる方法は「とにかくよく見て、たくさん描くしかない」と先生が教えてくれました。
皆さんもどんどん絵を描きましょう!