プログラムレポート
霧箱で放射線を見てみよう 講座の様子(2024年8月24日開催)
公開日:2024年08月27日
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しごと・ものづくり講座
8月24日は静岡エネルギー・環境懇談会様と、静岡大学の矢永誠人先生にご協力いただき、霧箱で放射線を見てみようの講座を行いました。
最初に先生から「放射線」という言葉を聞いたことがありますか?という質問がありました。
病院で放射線の文字をみたことある!という声が何人かからあがりました。歯医者さんや病院でレントゲンを撮ったことのある人もいましたね。
「放射線」というものがどういうものなのか、わかりやすく教えていただきました。
太陽の光は体を通り抜けないけど、エックス線は通り抜けるそうです。図を使って更に詳しく教えてもらいました。
このエックス線は、レントゲンの機械だけでなく、地面の中からもでているし、鉱物や海や食べ物からも出ていることを知りました。
放射線が私たちの身近なところで使われている例も教えていただきました。
「電離作用」という作用を利用して、車のゴムタイヤを作ることもあるそうです。
安全な量の放射線は、知らないところでたくさん利用されていることがわかりましたね。
後半は「モナザイト」という鉱物からでている放射線の軌跡を肉眼で見るようにする実験をしました。
丸いプラスチックの容器に敷いた黒い画用紙の上にスポンジをまきました。
そのスポンジにアルコールをしみこませ、「モナザイト」を真ん中に置いて蓋を閉めます。
黒い小さな紙の上に2つ並んでいるのが「モナザイト」です。
ここでドライアイスが登場しました。ドライアイスを容器の下に置いて急冷すると、蒸発したアルコールが容器にたっぷりとたまります。
この環境をつくり、ブラックライトで照らすと、「モナザイト」が発する放射線の軌道が飛行機雲のように見えるようになります。
ブラックライトをあてて、容器を上からのぞいて観察します。
じっと見ていると、たしかに容器の中で飛行機雲のような煙の筋が見えました。
「見えた!すごい!」と嬉しそうな声が聞こえてきました。
容器の中にうっすらと見える白い筋が放射線の軌跡です。
短時間でたくさんの放射線の移動した跡を見ることができました!
最後に鉱物からでる放射線の「半減期」(※放射性物質が、はじめの半分になるまでの時間のこと)についてもおしえていただきましたが、今回使用した「モナザイト」は100億年以上あるそうです。大切に保管すれば自分の孫やそのまた孫の代までこの実験ができるということでした。
学んだことを忘れないようにメモをとっている方や実験後に質問をしていた方もいました。
放射線は目には見えないですが、軌跡を見ることができました。
実験キットをお持ち帰りいただいたので、ぜひおうちでもアルコールとドライアイスが手に入ったら安全に注意しながらやってみてくださいね。