プログラムレポート
静岡市立清水飯田中学校の団体利用の様子(2024年2月2日)
公開日:2024年02月07日
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その他
2月2日は、静岡市立清水飯田中学校1年生の団体利用がありました。今回は学校へ出張して4つの職業講話を実施しました。
獣医師のおしごとについてお話してくださったのは、静岡県中部家畜衛生所の柴田正志先生です。
獣医師には、どうしたらなれるか知っていますか?と先生が生徒さんに質問します。
獣医師について学べる大学に6年通い、国家試験に合格するとなれるそうです。
「大学に6年も通うんだ!」と驚く声があがりました。日本のどの都道府県に獣医学科があるのかも教えてもらいました。
次に先生から「獣医師さんって何をする人でしょう?」という質問が投げかけられました。
「小動物の病気を治す人」や「犬や猫の病気を治す人」という答えがでてきました。
どれも正解です!
しかし獣医師のおしごとは、それ以外にもあると先生が教えてくれました。
柴田先生は、公務員として静岡県の家畜衛生所という場所で働いています。
ここでは、家畜の伝染病予防などを行っています。
家畜衛生所のおしごと内容について、具体的に教えてくれました。
鶏が鳥インフルエンザに感染しないようにするために、鶏の健康チェックを行ったり、鳥インフルエンザの感染ルートを遮断するにはどうすればいいかを考え、実践しています。
また安全な食品を食卓に届けることも重要なおしごとの一つと教えてもらいました。
牧場や、食肉センターでは厳重に検査を行い、スーパーや食品工場でも衛生管理の確認を獣医師さんがしているそうです。
獣医師は、動物のお医者さん、家畜伝染病の予防、食品の安全など幅広い分野で活躍していることがよくわかりました。
最後に、獣医師のお仕事について質問タイムがありました。
なぜ、先生は動物病院のお医者さんではなく、家畜保健衛生所で働くことになったの?という質問に対し
「小学生のころから牛のお医者さんになりたくて、獣医師になった。牛を守るためのおしごととして、家畜保健衛生所の仕事をしています。」
「おしごとのやりがいはなんですか?」という質問に対しては、「命を助けることができること。」と教えてくれました。
柴田先生、貴重なお話をありがとうございました。
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焼津市地域おこし協力隊のおしごとについてお話をしてくれたのは、鈴木銀次郎先生(銀ちゃん)です。
銀ちゃんは、焼津市地域おこし協力隊のほかにも「けん玉パフォーマー」としても活動されています。
まずは、みなさんに「自分の好きなもの」を聞きました。
「Youtuber」「推しのアイドル」などの好きな人や「お寿司」「お肉」など好きな食べ物を教えてくれました。
銀ちゃんの好きなことは「焼津市」と「けん玉」です。
銀ちゃんは、好きなことを仕事にしているよと教えてくれました。
焼津のことをより多くの方に知ってもらい移住してもらうために、東京などで開かれている移住相談セミナーに行って焼津市の魅力を伝えています。
それと同時にけん玉パフォーマーとして、各地でけん玉教室を開いて子どもたちにけん玉の魅力を知ってもらえるように活動しています。
けん玉パフォーマーとしての活動では、過去に紅白歌合戦のけん玉チャレンジ企画に出演して、見事その年はギネス記録を達成したそうです。その時に使用したけん玉とギネス記録書を見せてくれました。
ギネス記録書を見ることはなかなかできないので貴重な機会となりました。
再度の記録更新とはなりませんでしたが、昨年の紅白歌合戦にも出演されていたそうです。
焼津市やけん玉以外にも今のおしごとをする前に体操教室の先生やヒッチハイクでの旅、ゲストハウスの運営など様々なおしごとや経験をしてきたことを教えてくれました。
大変なこともあったけど、そのすべての経験が、今となってはいい経験になっていると教えてくれました。
働き方にこうじゃないといけない!という決まりはないので、自分が幸せを感じられる働き方を探してみてください!と語ってくださいました。
講話が終わった後に、ギネス記録認定書とけん玉パフォーマンスを見せてもらいました。
笑顔が絶えない職業講話となりました。
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看護師のおしごとは、静岡県立こども病院 副看護師長の木俣あかね先生にお話しをうかがいました。
最初に先生がなぜ看護師になったのか、仕事につくきっかけについてお話いただきました。
看護師である母親の職場を見学し、「みんな病気になりたかったわけじゃない。自分もいつ、病気やけがをするか、わからない。」と感じたそうです。
病気やケガをした、たくさんの患者さんがいる病院という大変な環境で看護師さんが楽しそうにおしごとをしている姿に魅力を感じたことがきっかけの一つだったそうです。
しかし、看護師になるには楽しいことばかりではなかったそうです。
看護師として働くと決心をするまでに、本当になりたいのかと周りからの心配の声もあったとのこと。
先生が現在働いている静岡県立こども病院で、普段どんなおしごとをしているのかも紹介していただきました。
静岡県立こども病院は「県内のこども達の医療を守る病院」ですが、ただ治療をするだけでなく、入院していて学校にいけない子のために、きちんと学習ができるような環境があったり、
病院に行くのが楽しみになるようなイベントなどもいろいろと行っているそうです。
病院に医療以外の様々な設備や体制が整っていることに驚きましたね。
採血や、手術に検査など、入院や通院をしているこどもたちには大変なことが多いのですが、少しでもリラックスして行えるよう声がけや環境づくりなども徹底しているとのことでした。
「こども達にいかに居心地の良い場所を提供できるか」ということが、こども病院で働く上で大事なことを教えてくださいました。
また、看護師のおしごとは昼間の勤務のほかに、夜間に入院患者さんの対応をする夜間勤務があります。
そのため、子育て中の看護師の方は、育児と仕事の両立がとても難しいとのお話もありました。看護師として働く上で、家族に協力してもらうことが必要なこともよくわかりました。
最後に看護師になるために必要な資格、心の面で大事なことについて教えていただきました。
現場で働いているからこそお話いただけることもたくさんありました。貴重なお話をしていただきありがとうございました!
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ものづくりのおしごとでは、岸本挽物の岸本しのぶ先生にお話しをうかがいました。
「挽物」とは木工轆轤(ろくろ)と旋盤(せんばん)を用い木材を丸く削る、職人としての技が必要となる静岡の伝統工芸です。
伝統工芸を守っていくために職人の技を継承することを目的とした「クラフトマンサポート制度」というものがあることも教えていただきました。
そして「一級技能士」についても学びました。岸本挽物の三代目代表 岸本真紀さんは2000年に当時史上最年少で一級技能士を取得されたそうです。
一級技能士になるには、「キャリア」が重要になるということがよくわかりました。
そしてユーザー目線でのものづくりが大事!というお話もしていただきました。
人間の欲求の中で岸本挽物が注目している欲求は「生存」「創造」「余暇」とのことでした。この3つを大切にすることが商品づくりの方向性を決めたり、アイディアに繋がっていくそうです。
岸本挽物では赤ちゃん向けの食器も制作していてとても人気があるそうです。こちらの商品開発の際、岸本先生の育児の経験からスプーンの長さを長くしてより使いやすいスプーンが誕生したというエピソードもお聞きしました。
工房での商品の制作の様子や、デザイナーさんとコラボして製作した海外で販売している挽物商品を紹介した動画も見せていただきました。
職人の技にみなさん釘付けでした。
最後は質問コーナーです。
「アイデアはどのようなときにうかびますか?」との質問に「散歩に出たときにぱっと目に入ったものや、思い浮かんだものがあったりすので、自然界にあるものが一番の近道。
それを追求したときにいいものが思いつく。」とお答えいただきました。
日々、ものづくりをしている方だからこその答えを聞くことができました。
質問してくれた生徒さんには特別に岸本挽物オリジナルのどんぐりがプレゼントされました。
どんぐり効果でその後も生徒さんからたくさんの質問が出ました。
ものづくりと伝統工芸についてとてもわかりやすくお話をしていただきありがとうございました!
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今回の4つの講話でそれぞれの職業のやりがいや、大変さ、おしごとについての状況や必要な資格など、様々なことが学べました。
今回のお話がきっかけになり、生徒のみなさんの将来の仕事の選択肢や夢が少しでも広がれば嬉しく思います。
4名の講師の先生方、飯田中学校のみなさま、ありがとうございました!