プログラムレポート
鉄道信号にかかわる仕事を学ぼう 館外講座の様子(2023年8月3日開催)
公開日:2023年08月03日
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しごと・ものづくり講座
8月3日は、協和電工株式会社の皆様にご協力いただき、鉄道信号にかかわる仕事について学ぶ講座を開催しました。
協和電工株式会社は鉄道信号保安設備の設計・施工・保全をしている会社です。
社内には、鉄道部、鉄工部、環境部があります。
鉄道部では、鉄道の信号機や踏切を作る工事を行っていたり、鉄工部は、鉄道で使用する金属製品の加工を自社で設計・製造をしています。
環境部は鉄道工事などで出る産業廃棄物の中間処理を行うなど、鉄道のインフラを支えるお仕事です。
踏切設備について、石川先生に詳しく解説していただきました。
「みんなは『とりこ』って言葉を知ってる?」石川先生からみんなに質問です。
「とりこってなんだろう?」「はじめてきいた!」と皆さん、分からない様子です。
正解は、「人や車が線路内に閉じ込められてしまった状態のこと」だそうです。
踏切を渡っている途中で閉じ込められてしまったら大変ですね。
そのような緊急事態が発生した場合は、「踏切支障報知装置(非常ボタン)」と「特殊発光信号機(特発)」を使用します。
緊急事態時は非常ボタンを押していち早く走行列車に危険を教えてもらいますが、正当な理由もなく非常時以外、故意にボタンを押してしまった場合、またはそれによって列車の遅延・運休が生じた場合は、業務妨害罪や鉄道営業法違反に問われる場合があるほか、鉄道会社から損害賠償が請求されることがあります。
「いたずらでは決して押さないように!」と石川先生から説明を受けました。
続いて、信号機にまつわる問題が3つ出されました。
- 道路の信号機と鉄道信号機の本体について
- 信号機の球の大きさ比べについて
- 鉄道信号機の色の意味について
1と2の問題はみんなスムーズに解くことが出来ました。
3の鉄道信号機の「色」に関する意見が様々出ましたね。
実は、鉄道の信号機が示す「色」と道路の信号機の「色」と意味が異なります。
「赤」は「止まれ」、「青」は「走行」で同じですが、「黄」は道路の場合、「原則として止まれ」ですが、鉄道の場合は「止まれる速度で走れ」の意味になります。
ひとつの区間にひとつの列車しか入れないようにするため、区間内にひとつ信号機を設けます。
運転席からの走行の様子を動画で確認しました。
なるほど。
納得しました。
続いて、電車が通過した後の信号機の変化をグループごと体験しました。
3人1組で電車になり、信号機が設置されているところを通過した時にボタンを足で押します。
まずは先生方によるお手本です。
続いてみんなの番です。
みなさんとても楽しそうですね。
「信号、よしっ!」としっかり確認できました。
後半は外に出て、ケーブル設置を体験しました。
A班とB班の2グループに分かれて、ケーブルを全員で引き上げます。
慎重かつ安全にケーブルを設置します。
とても長いケーブルを本社の3階まで引き上げることが出来ました。
ケーブルの設置が完了したら、配線方法を学びます。
ケーブル束を覆っているチューブを外していきます。
プロの技ですね。
とてもスピーディーです。
正確に配線を完了します。
準備は万全です。
配線が完了したら「非常ボタン」を押します。
「特発」が光って、部屋中にサイレンが鳴り響きました。
盛りだくさんな内容の2時間でしたね。
とても貴重な体験でした。
ありがとうございました。