プログラムレポート
興津螺旋へ行こう! 講座の様子(2023年7月25日開催)
公開日:2023年08月18日
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しごと・ものづくり講座
7月25日は、興津螺旋株式会社のご協力で工場を見学させていただきました。
始めに、興津螺旋株式会社代表取締役社長の柿澤先生から興津螺旋という会社についてお話をしていただきました。
興津螺旋株式会社はねじを作っている会社です。
一口にねじと言っても、ステンレスやチタン、プラスチックなど用途に合わせて色々なねじを作っています。
ステンレスのねじは、水に強いのでソーラーパネルやキッチン、トイレ周りなどに使われています。
磁力の影響も受けにくいので、ハードディスクドライブを作る時にもステンレスのねじは使われています。
最近ではハイブリッド自動車や電気自動車にも使われているそうですよ。
とても丈夫なチタン合金ボルトは、スノーボードや競技用自転車などスポーツの分野で沢山の信頼を得て、使用されているそうです。
展示してある自転車にも、色々なところに陽極酸化処理で色付けされたボルト(ねじ)が使われていましたよ!
そして、興津螺旋がねじを作る上で大切にしていることも話してくださいました。
それは「真・善・美」ということです。
- ウソのない仕事をしましょう。(真)
- 世の中の役に立つ仕事をしましょう。(善)
- 自信をもって素晴らしいと言える最高のねじを作りましょう。(美)
興津螺旋では、この3つの事柄を大切にしてねじを作っています。
実際に工場に見学をしに行く前に、どうやってねじが作られているのかを確認しておきましょう。
手順は大きく分けて2つです。
ねじの頭の部分を作る「圧造(あつぞう)」という工程と、ねじのねじやまを作る「転造(てんぞう)」という工程です。
ねじの作り方が分かったら、早速工場に見に行ってみましょう!
第一工場にはたくさんの「ねじを作る機械」が並んでいます。
まだ、ねじになっていない鋼線がたくさんあります。
これが圧造機に送り込まれて、ねじの長さに切られて、片方に金型を押し付けて、ねじやまのついていない「リベット」というものにします。
「リベット」が転造機に送り込まれて、一列に並んでやってくると、左右の金型で挟み込んで回転させることでねじやまが作られます。
これで、ねじの完成です。
出来上がったねじは第二工場に持っていき、ねじについている油やごみを落としてきれいにします。
また、第二工場ではねじの検査や箱詰めも行っています。
興津螺旋では、ねじを作りながら、不良のねじがないかを常に調べていますが、人による最終チェックもしています。
検査が終わったねじは箱詰めにされて、倉庫に運ばれます。
ひとつひとつが小さなねじでも、たくさん集まって箱に詰められると、とても重たくなります。
興津螺旋では、ねじを運ぶための機械や、簡単に運ぶために持ち上げるのを手伝ってくれる機械など、色々な機械があります。
倉庫は4階建ての建物ほどの大きさがあって、上の方は見えないくらいです。
出来上がったねじはこの倉庫にコンピューターによって整頓されて入っているそうです。
純チタンのねじも作らせてもらいました!
チタンのリベット(ねじやまの入ってない状態)を特別な機械にセットしてハンドルを回すと、工場で機械がやっていた転造の作業が出来るようになっています。
チタンのねじにねじやまを転造するのにはとっても力がいりましたね。
大人参加者にも手伝ってもらいました。
出来上がったねじは、表面に陽極酸化処理をして色を付けます。
仕上げに、ねじの頭にレーザーを使って好きな文字を入れました。
世界でたったひとつのねじが完成しました!
工場見学の後は、参加者から先生への質問タイムです。
「どうしてねじにはプラスとマイナスがあるの?」
「興津螺旋のマークはどうして蟹なの?」
「倉庫にはどのくらいのねじが入っているの?」
などなど、たくさんの質問が出ましたね。
先生も一生懸命質問に答えてくれました。
大人も知らないことを知ることが出来る、とても楽しい工場見学になりました。
興津螺旋株式会社様ありがとうございました。
またの開催をお楽しみに!