プログラムレポート
日立清水理科クラブ講座 講座の様子(2023年6月10日開催)
公開日:2023年06月12日
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しごと・ものづくり講座
6月10日は日立清水理科クラブのご協力で、2極コイルモーターの仕組みを学ぶ講座を開催しました。
日立清水理科クラブは、日立製作所グループのOBの皆様により設立された団体です。
モノづくり教室の開催や、小学校の理科授業支援など、自然の神秘や不思議さに目を見張る感性を持った理科好きの子どもを育てる活動をされています。
今回は、小島先生に電流と磁界、力の仕組みを教わってから、2極コイルモーターを作ります。
まず初めに小島先生から皆さんに質問です。
「電気はどんなところで使われているでしょうか?」
「洗濯機とか?」「光とか?」色々な意見が出ました。
電気は、光になったり、熱になったり、テレビやラジオ、携帯電話などの通信に使われたり、そしてモーターに力を与えて物を動かしたりします。
電気の種類のことも教えてくれました。
直流と交流ですね。
乾電池などは直流、コンセントから取ることが出来る電気は交流です。
それぞれに便利なところ、不便なところがあるんですね。
さて電流のことが分かったところで、今回作る2極コイルモーターの仕組みについて知っておきましょう。
まずは「磁石」についてです。
固定磁石と呼ばれることもある磁石は、出来上がった瞬間から、ずーっと磁石のままです。
N極からS極に向かって「磁力線」が出ていて、この磁力線の影響を受けるところを「磁界」と言います。
次に「電磁現象」について学びました。
電磁現象とは、電気を通す導線に電流を流すと、その電流の流れる向きによって、導線の周りに「磁界」が出来るという現象です。
電流を流すと必ず導線の周りには磁界が出来ます。
この時出来る磁界の向きは「電流が進む向きに対して時計回り」と必ず決まっていて、右手を使って確認が出来ます。
親指を立てて右手を握ると、親指の向きが電流が進む向き、握っている他の指の向きが磁界の向きです。
そして、この固定磁石によって生じている磁界の中の導線に電流を流すと、決まった方向に「力」が生じます。
「フレミング左手の法則」で、力が生じる向きを確認することが出来ます。
実際に、先生たちが用意してくれた銅パイプのレールの上に短い銅のパイプを置いて実験してみました。
銅パイプのレールの間には磁石が置いてあり、「磁界」が生じています。
レールを渡すように短い銅のパイプを乗せて、スイッチを入れるとレールとパイプに「電流」が流れます。
パイプは丸いので、「力」の影響を受けるとレールの上を転がって移動します。
磁界と電流と力の関係が分かって来たでしょうか?
では実際に2極コイルモーターを作ってみましょう!
まずはコイル作りから。
コイルと言っても、ぐるぐると導線を巻いたりはしません。
導線を、説明書に描いてある形通りに曲げていきます。
きれいに曲げるためには、ペンチでしっかり押さえて曲げると良いですね。
ひとつひとつの道具の使い方も先生が丁寧に教えてくれます。
導線同士がくっつかないように、接着剤を導線の間に流し込みました。
接着剤が指につかないように手袋をはめて作業しましたよ。
コイルの接着剤を固めている間に、磁界の箱を作ります。
段ボールを丁寧に切って、展開図の形にします。
段ボールを折る時は、あらかじめカッターなどで折り筋をつけておくと工作しやすくなると、先生が教えてくれました。
こういう丁寧な作業が、きれいな完成につながるんですね。
磁界の箱にはコイルが乗せられるように切れ込みを入れて、導線を通しておきます。
見本を見ながら、向きを間違えないようにしましょうね。
磁界の箱と電池ボックスを土台の板にとりつけます。
ドライバーの上手な使い方も先生に教えてもらいます。
とりつけが終わったら、磁界の箱に磁石をつけて、箱の中に磁界を作ります。
準備が出来たら、早速コイルを乗せてみましょう。
回りません!
「何で回らないのかな?」
見本の2極コイルモーターは勢い良く回っていたのに、これではまだ完成とは言えませんね。
「何でだろう?」先生と一緒に考えてみます。
どうやらはみ出していた接着剤で電流が流れにくくなっていたり、接着剤がしっかり導線の間に流れていなくて、導線同士がくっついていたりしたのが原因だったようです。
しっかりやすり掛けをして、外側についてしまった接着剤を削り取ります。
他にも、箱の中の磁界がきちんと作れていなかった参加者もいました。
磁石の向きをきちんとそろえて、箱の中の磁界を整えます。
先生と一緒に一つ一つ確認しながら原因を突き止めていきました。
それぞれ原因と思われるところを修正していきます。するとどうでしょう。
しっかり回り始めました!
凄いスピード!
計画では上手くいくはずのものが上手くいかない時、「何でだろう?」と考えるのはとても大切です。
ひとつひとつ原因を考えて、試しながら上手くいくように実験していくことで2極コイルモーターが完成しました。
最後には皆さん上手く回っていました!
「何でだろう?」の気持ちを持ち続けて、色々な実験や工作をしてみてくださいね。
またの開催をお楽しみに!