プログラムレポート
10年をふりかえるシリーズ『店長バッジ』:バザール日記
公開日:2023年05月23日
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こどもバザール
10年をふりかえるシリーズ、今回は「こども店長」がつけている『店長バッジ』です。こどもバザールを運営する「こども店長」は、こども店長の目印として赤い色のストラップをつけています。
「こども店長」とわかるように、首からさげているストラップです。
この店長ストラップに、缶バッジがついているのがわかりますでしょうか。店長ストラップについている缶バッジのことを『店長バッジ』とよんでいます。
開館からの10年間で発行した『店長バッジ』は、0期から36期までの37個となりました。今、活躍しているこども店長は37期のバッジをつけています。
『ま・あ・る』が開館に向けて活躍してくれた「開館準備リーダーズ」の中で、開館後に残って「こども店長」として支えてくれた皆さんを0期としました。
0期の「こども店長」が運営してくれる、開館の2013年1月から3月の間に、継続して運営することのできる「こども店長」の仕組みを整えました。
そして、2013年4月から「こども店長」第1期の活動がスタートしました。
『店長バッジ』は「こども店長としてこの期間活動しましたよ」と証明するためのバッジとなります。
コロナ禍前までは「月に2回程度活動ができること」を「こども店長になるための条件」にしていたことから、この条件がクリアできると『店長バッジ』がもらえました。
例えば、第1期の期間が3ヶ月間だった場合は「月に2回×3ヶ月=6」となり「第1期の間に、6回以上こども店長活動をすると店長バッジがもらえる」ということになります。
こどもバザールを開催している土日祝(長期休暇の平日)は、「毎日活動するよ!」というこども店長もいれば、「たくさん活動するのは難しいけれど、スケジュールを調整しながら月2回は働くよ」というこども店長まで、「月2回以上活動する」という範囲で、それぞれの状況に応じて活動を続けてもらいました。
長期休暇と重なる活動期間は、県外から「こども店長をやりたい!」と登録して通ってくれた子もいます。
そして、だれにでもわかる「月2回以上活動する」という条件を、自分でクリアして手に入れる『店長バッジ』は、「こども店長」の大きな励みになりました。
<参考:10周年記念展示のパネルより>
■こども店長の在籍校分布図とこども店長在籍校のベスト5
こども店長やMJV(元こども店長の中高生ボランティア)・MAS(元こども店長の18歳以上ボランティア)同士で、「あの子、すっごくバッジついててすごいよね」「え!1期のバッジもってるの!?」「このバッジ初めてみた!」と話しているシーンをよく見かけました。このように、店長バッチは、歴代こども店長のコミュニケーションのきっかけになるだけではなく、大人のお客様から「バッジがたくさんついている店長さんに質問したら、とても丁寧に答えてくれました。すごいですね!ベテランさんですか?」と声をかけていただくこともあり、お客様とのコミュニケーションのきっかけにもなっていました。
この「○期のこども店長をやりましたよ」という店長バッジの他に、こんなバッジもありました。
◆こども店長スーパーバイザーバッジ
2014年5月、第6期のこども店長から「普通の店長バッチじゃなくて、もっと頑張っていることがわかるバッチが欲しい!」という意見が出ました。そこで、こども店長と話し合いをして「自分の企画したお店を2期以上続けることができたらスーパーバイザーのバッチを持てるようにしよう」ということに。2014年の間だけ登場したレアなバッチです。
◆MJVバッジ
こども店長の経験のある中高生ボランティアを「MJV(エム・ジェイ・ブイ)」と呼んでいます。それを証明するためのバッチです。(MJVの活躍についてはコチラをチェック!)
登録者数が30名ほどになった2014年ごろに、「MJVも店長バッジみたいなものが欲しい!」という意見が出るようになりました。そのころ、こども会議でMJVが司会進行をやったり、こども店長にアドバイスをしたりする場面が増えてきたこともあります。
その後、登録しているMJVと、実際に活動のできるMJVとに大きなひらきができたことから、評価判断が難しくなり幻のバッジとなりました。
◆レジつかえますバッジ
こども店長の「本物のお店みたく、レジを使いたい!」という意見から、2015年7月にレジを導入しました。
10期のこども店長からレジをスタート。レジの使い方研修を受けて、レジを正しく使えるようになったこども店長を証明するための「レジ使えますバッジ」です。
10期のこどもバザール初日は、レジ導入でとても盛り上がりました。レシートが出ることから、こども店長は、レシートに明記される言葉を積極的に変えたり、不要なレシートを回収する箱をつくったりと工夫をしながら活用していました。社員さんのなかには、レシートを大量に集める子もいましたよ。
◆ツイッターやってます!バッジ
「もっとバザールでやっていることを自分たちで発信したい!」というこども店長の意見から、「こどもバザール」の各お店のTwitterのアカウントを作り、こども店長自身がTwitterで情報を発信する活動を2017年から始めました。
この「ツイッターやってます!バッジ」は、ITリテラシーとTwitterの操作について学ぶ研修を受けたことを証明するバッジです。
こどもバザールでのTwitter運用はこんな感じでした。各お店用アカウントの入ったiPadを用意し、「ツイッター使えます!バッジ」をつけている店長が、自分の判断で使えるようにしました。
Twitterを始めた当初は、こども店長の期間が終わるタイミングのこども会議で、Twitterの利用状況や効果について確認をし、継続について意見交換をしました。
Twitterの運用継続希望多数!
また、このTwitter運用は「こども店長同士で管理し運用する」という目標があったため、「ツイートマスター」というTwitter運用をとりまとめるこども店長が誕生しました。
ツイートマスターは、必要なときにルールをつくったり、見直したり、話し合いをしたりと自主的に活動をしていました。
2018年5月にTwitterサービス利用規約の改定にともない「Twitterの利用は13歳以上」となったことから、大人スタッフが管理せざるを得なくなりました。
ツイートマスターのこども店長と大人スタッフで話し合いながら2019年まで続けましたが、コロナ禍に入ったことと、大人スタッフが入ることでこども店長がやりたいTwitterを続けることが難しいと判断し運用を停止しました。
◆納税バッジ
2021年7月、32期のこども店長の活動から「こどもバザール」に税金制度が導入されました。
税金(こども店長のお給料の10%)を納めて、納税スタンプカードのスタンプが10個たまるともらえる「納税バッジ」です。
この「納税バッジ」を獲得すると、当時の市長副市長企画のイベントに参加できる権利も得ることができました。
そのときどきのこども店長の意見から生まれたバッジ。たかがバッジされどバッジ。
今でも大切に持ってくれている、こども店長OBOGを見ると嬉しくもあり、うらやましくもあります。思い出があるっていいなぁ。
「第○期にこども店長やったよ」を証明するバッジは、MJVやMASがデザインしたものが登場するかもしれません!?楽しみですね。
これで、10年をふりかえるシリーズは終わりです。
これからの10年、時代の流れを取り入れながらも、そのときどきの子どもたちの意見によってつくられる「こどもバザール」、そして『ま・あ・る』でありますように。