プログラムレポート
お家が出来るまでのお仕事 講座の様子(2022年10月15日開催)
公開日:2022年10月19日
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しごと・ものづくり講座
10月15日はアトリエサクラ有限会社の皆さんと、林業士の安池勘司先生のご協力で、お家が出来るまでのお話を教えてもらいました。
皆さんは、お家のに使われている木が、どこから来て、どうやってお家が作られているか知っていますか?
今回は湯浅先生が林業士の安池先生と杉山先生、山田先生にお話を聞く形で、「みんなのお家に使われている木がどこから来るのか」「どうやってお家ができるのか」のお話を伺いました。
林業士のお仕事
まずは、林業士の安池先生のお話です。
安池さんは静岡県の山側、「オクシズ」と呼ばれているところの森で、木がスクスクと育ち、立派な木になるように管理をしています。
また、大きく育った木をお客さんの要望に合わせて伐って、出荷もしています。
木が育ちやすい環境を作るために、間伐をしたり、植林をしたり、木を運び出せるように森の中に道を作ったりもしているそうです。
森林は「木の畑」ということも教えてくれました。
野菜や果物は3か月だったり、1年だったりという時間で収穫ができるものですが、森の木が収穫できるのは植林してから40年くらいかかるそうです。
先生が持ってきてくれた木の年輪を数えると、大体40年くらいの木であることが分かりました。
今、お家を立てるのに使われている木は、安池先生のお爺さんが植えた木だそうです。
とても長い時間をかけて収穫するんですね。
現場監督のお仕事
次に、お家を建てる現場で色々な人をつないでいる現場監督のお仕事について杉山先生と山田先生に伺いました。
家作りの現場には大きく分けて8つのお仕事をする人たちがいます。
- 木工事
- 基礎工事
- 水道
- 電気
- 外装
- 内装
- 設備
- 屋根工事
です。もっと細かく分けていくと、もっともっとたくさんのお仕事があり、そこに携わるたくさんの人がいます。
お家の設計から始まり、お家が出来上がるまでには1年くらいかかり、そこには50人くらいの人が関わっているそうです。
現場監督というお仕事は、安全に設計図通りのお家が建つように、色々な人と連絡を取り合って、調節をするお仕事です。
安全な仕事が順序良くできるように「工事工程表」というものを使って管理をしています。
みんなで、現場監督さんになったつもりで穴空きの工事工程表の順序を考えてもらうワークを行いました。
土台が出来て、お家の骨組みが出来上がってから、クリーニングをして、お庭や駐車場を作るまでには5つの「工程」があります。
- 屋根作り
- 水道や電気の配管、配線
- キッチンやトイレ、お風呂や洗面台、照明などの設備の取り付け
- 家の内側を作って壁紙を貼る、内装工事
- 家の外側にタイルなどの壁を貼る、外装工事
さて、お家の骨組みが出来てから、どういう順序でお家を作ればよいでしょうか?
先生もサポートに入りながら、皆さん一生懸命考えます。
「配管が出来てないとトイレが取り付けられないのでは?」
「雨が降ってきたら電気の配線はどうなってしまうの?」
「この作業にはこんなに時間がかからないんじゃないかなぁ?」
色々と隣同士で相談しながら順番を決めている人たちもいましたよ。
みんなで考えた後、みんなで意見を発表しました。
意見が出そろったところで、家が出来るまでを順番に見せてもらいました。
まず、土台と骨組みを作ります。
骨組みを作るときは、天気が重要になってくるそうです。
雨が降ってしまうと高いところでの作業は難しくなってしまいますし、木材も濡れてしまいます。
現場監督さんは天気を確認して、雨が降らない日を狙って丸一日で骨組みを作ってしまうそうです。
そのあとの工程は杉山先生が教えてくれました。
骨組みが出来たらまず屋根を作ります。雨が降ってきたときに中が濡れると家にも良くないですし、中で作業をする人も滑って危険ですからね。
屋根が出来たら、水道や電気の配管、配線をします。配管や配線は床下や壁の中にあるものなので、壁を作る前に作業をします。
配管、配線が終わったら家の中を雨風から守るために、外装工事をします。
外装工事が終わると、お家の中の壁や天井、床を作る内装工事をします。
お家の外側内側、水道や電気の場所がしっかりできてから、最後に水道や電気を使う設備を取り付けます。
よく考えてみると、しっかりと理由があって、考えられて順番が決まっているんですね。
この順番に合わせて、現場監督さんは色々な人と連絡を取って作業がスムーズに進むように管理しています。
また、工程の途中途中で「監査」と言ってちゃんと設計図通りにできているか検査をしてもらうのも大事なお仕事です。
立派なお家を作るためには色々な工程があること、たくさんの人が関わっていることが分かりました。
みんなで何かをするときに大切なこと
たくさんの人が関わって仕事をしていくうえで大切なことを、湯浅先生が教えてくれました。
色々な意見を持つ、色々な人とどうやったら一緒に一つのお家を作れるか。
それには自分の考えていることと、相手の考えていることをよく知ることが大切だそうです。
最後に、ヒノキの木を使って小さなお家を作りました。
とげとげを取るために紙やすりでやすると、ヒノキのいい香りがしましたね。
お土産に、安池先生から端材から生まれる小さなKAKERA君の材料も貰いました。
是非お家で作ってみてね。
またの開催をお楽しみに!