プログラムレポート
電磁力推進車を作ろう! 講座の様子(2022年9月10日開催)
公開日:2022年09月13日
-
しごと・ものづくり講座
9月10日は、日立清水理科クラブの皆様と清水ロータリークラブ様のご協力で、講座を開催しました。
日立清水理科クラブは、日立製作所グループのOBの皆様により設立された団体です。
モノづくり教室の開催や、小学校の理科授業支援など、自然の神秘や不思議さに目を見張る感性を持った、理科好きの子供を育てる活動をされています。
今回は、「電磁力推進車」を作って実験します。
講師は保刈先生です。
電磁力推進車とは「コイルに電気を流して作った電磁石と、固定磁石を使って走らせる車」です。
最初に保刈先生から、固定磁石、電磁石について教えていただきました。
固定磁石と電磁石
磁石には固定磁石と電磁石があります。
固定磁石は方位磁石や、冷蔵庫にメモを貼る時に使ったりする時に使う磁石で、常に一定の磁力を持っているものです。
生まれたときからずっと磁力を持っていて、強さを変えることは出来ません。
砂鉄を使うと、磁力の線がどのように出ているか分かります。
地球も大きな固定磁石なんですね。
さて、ここで先生から質問です。
「大きな磁石である地球は、北極と南極どちらがN極で、どちらがS極でしょうか」
磁石のN極とS極が引かれあうので、方位磁石のN極が引かれている北極がS極、反対の南極がN極なんですね。不思議ですね。
素材によって磁力が変わり、磁力の強さによって色々な製品に利用されています。
フェライト磁石とネオジム磁石を実際に触ってみました。
ネオジム磁石はちょっと近づけるだけですぐにくっついてしまって、なかなか離すことが出来ませんでした。
凄い磁力ですね!
電磁石は、金属の線を巻いてコイルを作って、そこに電流を流した時に出来る磁石のことです。
釘に導線を巻いてコイルを作り、電池で電流を流すと、砂鉄が固定磁石と同じ模様を作ります。
コイルに電流が流れると、磁界が発生するということなんですね。
導線に電気を流した時に出来る、磁界の向きには決まりがあります。
皆さん自分の手を使って確認していました。
電磁石は固定磁石と違って、電流を流す量や、コイルの巻き数を変えることで、磁力の強さを変えることが出来ます。
また、電流向きを変えることで発生する磁界の向きを変えることが出来るのも大きな特徴です。
電磁石を使った代表的な製品はモーターです。
電気の力でモーターを回して、プロペラを回して風を起こしたり、ごみを吸い込んだり、水流を起こして洗濯をしたり。
皆さんのお家にもモーターを使った色々なものがあるんじゃないでしょうか?
発電機はこの仕組みを反対にした製品です。
電磁石が入っている発電機に、水力や風力などで力を加えて回転させることで、電気を作り出しています。
リニアモーターカーも電磁力を使って走ります。
仕組みを先生が教えてくれました。
リニアモーターカーの周りの磁界をすごいスピードでNSNSと切り替えることで、リニアモーターカー本体をグングン前へ前へと進めているんですね。
お話の最後に電磁力推進車が動く仕組みを解説してくれました。
実際に電流が流れているコイルに固定磁石を近づけたらどうなるかを見せてもらいました。
固定磁石をひっくり返すと、電流が流れているこいつがくっついたり離れたりしていますね。
電磁力推進車を作ろう!
先生のお話が終わったら、早速、電磁力推進車を作っていきましょう。
まずは金属の線をクルクル巻いてコイルを作ります。
ビニールパイプから外れないように注意して、しっかりと巻き付けていきます。
コイルの完成です!
コイルが出来たら、導線の端をやすりで導線の表面を削り取ります。
説明書に従って、本体を組み立てていきます。
使うパーツはあっているかな?取り付ける向きは合っているかな?
難しいところは先生が教えてくれました。
ペットボトルのキャップと竹串とストローでタイヤを作ります。
最後にコイルを車の後ろに取り付けて完成です!
早速走るかどうか実験してみましょう!
完成した電磁力推進車に電池をセットして、クリップ端子を導線がつなげてある金属の棒につなげます。
すると、コイルに電気が流れてコイルの周りに磁界が出来て、電磁石になります。
電磁石に、固定磁石を近づけてみると……勢いよく走りだしました!
固定磁石の向きを反対にすると、電磁石の磁界と、固定磁石の磁界が逆に作用して反対の向きに走ります。
先生が上手な走らせ方を教えてくれました。
コイルの中心に強い磁界が出来るので、コイルの真ん中に固定磁石を近づけると良いんですね。
コイルに電流が流れ続けると、熱を持って、びっくりするくらい熱くなってしまいます。
実験が終わったら、クリップ端子を外して、コイルに電流が流れないようにしておきましょう。
コイルと電流で磁石が出来るなんて不思議ですね。
是非おうちでも実験してみて下さいね。
先生方、ありがとうございました!
次回の開催をお楽しみに!
お知らせ
日立清水理科クラブは今年で創立10周年を迎えました!
11月19日(土)にはIAIスタジアム日本平で「親子水ロケット飛ばしっこ大会」を開催します。
9月19日から大会参加の受付をスタートしますので、興味のある方は是非参加してみてくださいね!
▼詳しくはこちら