プログラムレポート
ジュニアNISAに挑戦! 講座の様子(2022年8月16日開催)
公開日:2022年08月22日
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しごと・ものづくり講座
8月16日はファイナンシャル・プランナーの杉本京子先生、前田久美子先生のご協力で、投資について学ぶ講座を開催しました。
去年度も開催した、大人気の講座です。
▼去年度の様子はこちら
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家です。
お金の貯め方や、増やし方、使い方の相談を受けたり、お金についての講座を開いたりしています。
今回もお金について学びながら、積み立て投資ゲームで、投資体験をやってみます。
お金の正体って何?
はじめに、お金の正体についてみんなで考えます。
1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉、千円札、五千円札、一万円札。
「1つだけ貰えるとしたら、どれが欲しいですか?」先生がみんなに質問します。
一万円札が一番買い物できるから、一万円札が良いですよね。
ところが、お金を作る時にかかる費用(原価)を比べてみると不思議なことが分かりました。
1円を作るのには1.8円もかかるのに、一万円札を作るのには22.5円しかかかりません。
原価だけで比べてみると、1円玉で1万円を用意すると18,000円の価値があり、一万円札で1万円を用意すると22.5円の価値しかないように見えます。
でも、実際にはどちらも同じ1万円という「価値」があり、その分だけ買い物が出来る仕組みになっています。
それぞれのお金に対して、国が「信用」を与えることで、1円玉は1円の「価値」が、一万円札には1万円の「価値」が生まれるというわけなんですね。
※日本銀行さんの講座でもお金の「信用」や「価値」を守るお話がありました。
▼詳しくはこちらをどうぞ
お金の正体というのは、「信用」のことです。
その国がしっかりしていて、「信用できる」となれば、価値は上がります。
「信用できない」となると、価値は下がります。
そして、国の信用とは別に、お金の価値は時代とともに変化をします。
50年前のお金の価値を例に現代と比較してみましょう。
50年前と今とでは、大卒の初任給(大学を卒業して働いて始めてもらうお給料)も、ラーメンやコーヒーなどの物価も異なります。
50年前は大卒の初任給が一カ月平均で3万円程度だったそうです。
50年前と比べて現在の初任給やは約7倍に、ラーメンは約8倍に、コーヒーは5~6倍になっているでしょうか。
つまり、昔の1万円分と今の1万円分では価値が違うので出来ることが違うということですね。
昔の価値のお金をずっと持っていても、今の価値と違ってきてしまうので、自分でお金の価値を保っていくことが必要になってきます。
そこで、「投資」について考えてみようというわけです。
投資の種類は
- 株式投資
- 債券
- 投資信託
とあります。
「将来的に価値が上がる」商品やサービスにお金を投資しておけば、価値が上がった時に「配当」や「利子」という形で利益が返ってきます。
また、「良いことをしているな」「この会社に頑張って欲しいな」と感じる会社にお金を出して、その会社が活躍する手助けをすることで、社会貢献にもつながりますね。
そして、「お金を増やすこと」は「自分のお金を守ること」につながります。
先生からこんな質問がありました。
「皆さんがリンゴを仕入れて売るお店の人だったら、どうやってお金(売上)を増やすでしょうか?」
「お店をきれいにする」「広告を出す」など、色々な意見が出ましたが、先生が考える基本はたった2つ。
- 安く仕入れる
- 高く売る
この2つです。
この基本の考え方は、株の場合も同じです。
儲けを多くするためには安く仕入れて高く売ることが基本です。
ただ、日々変動する価格に対して、どうやって損が少なくなるように仕入れたり、売ったりしていくかというのが大きな問題です。
今回は株式投資ゲームを通して、損が少なくなるような投資について考えてみます。
株式投資ゲームにチャレンジ
ゲームを始める前に、先生が紹介する架空の8つの投資先から、自分たちが応援したい、投資したい投資先を1つ決めます。
インターネットサービスの会社や、ゲーム制作会社。
ネット通販の会社にエネルギーの会社や車の会社。
先生にからそれぞれの投資先の話を聞いたり、情報やサイコロの出目でどのくらい株価が変化をするかの表を確認します。
投資先が書いてある表には、☆印がついていて株価の上がり下がりの幅の大きさが示してありました。
親子で一緒にお気に入り応援したい投資先を選びます。
あまり上がり下がりのないところに投資するのか、上がり下がりが大きなところに投資するのか。
会社として考え方が好きだなと思うところに投資するのか、扱っている商品やサービスに未来を感じるところに投資するのか。
親子で悩みながら決めましたよ。
投資先が決まったらゲームスタートです。
ゲームのルールは2つ。
- サイコロを振って、その年の会社の株式の1口の金額を決める
- その年の株式の金額が決まったら、「1万円分だけ、買えるだけ買う」
これを繰り返していって、最後の年に「持っている株式の数」×「その年の株式の金額」を計算します。
ゲームを進めるために3つの表を使います。
1つ目は、それぞれの投資先の株価が、サイコロの目によってどのくらい変化するかの表です。自分のお気に入りの会社のところに印をつけておきました。
2つ目は、その金額の株が1万円で何口買えるかが書いてある表です。
3つ目は、①その年の株価と、②その年に購入した株式の数と、③今持っている株式の合計の数、①×③を計算した「今年の合計金額」を記入する表です。
それでは早速サイコロを振ってみましょう!
出た目の合計の数によって、それぞれの投資先の株価が変わります。
株価が変わると、1万円で買える株式の数も変わります。
株価と変える数の表を見ながら、現在の合計資産を計算します。
さあ、どんどんサイコロを振っていきましょう。
サイコロを振るたびに株価が変動するので、変動に合わせて現在の合計資産を計算をしていきます。
このゲームの一番の特徴は「投資先を1つだけ決めて、1万円分だけ、買えるだけ買う」というところです。
1万円分だけ買うので、株価が低い時はたくさん買うことが出来ます。高い時は買える数が減ってしまいます。
つまり、株価が低い時は「たくさん買えてラッキー!」ということです。
株価が高い時は「今年の合計金額が増えてラッキー!」ということですね。
時折、先生が「暴落カード」や「上昇カード」を使って、それぞれの投資先の株価を調節しました。
最終的に15回程度、株価の変動がありました。
投資した金額に対して、大きく得をした投資先には何があったのでしょうか?
購入数を比べてみると、一度大きく株価が下がった投資先に投資していたチームが、大量に株を持っていたので最後に大きく合計金額が上がっているのが分かりますね。
大きく価値が下がってしまったからと言って、手放さずに決められた金額分だけ買っておく。
今回の投資ゲームのルールにおいては、これが損得を大きく分けたようですね。
最終的に投資金額より下回ってしまったチームも、そこまで大きな損をすることなくゲームを終えることが出来ました。
8つの投資先全てに投資していたらどうでしょう?
今回は、一部投資額より合計金額が下がっているものもありますが、全体的に見ると損はしていないことが分かりました。
先生は、「流行りモノではなく、ずっと成長を続けることが出来る投資先」を見つけることが上手く投資するコツだと教えてくれました。
そのためには、色々な情報を集めて、投資したい会社、応援したい会社を見つけなくてはいけないということも言っていました。
今回テーマになっていたジュニアNISAは2023年までの制度です。
ジュニアNISAの他にも先生方は色々な講座を開います。
親子で学ぶ生きる力教室(お金編)や投資のスタートアップなど、興味のある方は先生に相談してみてください。
また先生たちが監修協力をした「10歳のあなたに伝えたい 未来が変わる お金の教科書」が発売されました。
「1,000円」を切り口にして、お金のことを分かりやすく、身近に感じられるように書いてあるそうです。
お金のことを知りたい小学生の皆さんも、お金についての情報をアップデートしたい大人の方も、この機会に読んでみてはいかがでしょうか。