プログラムレポート
フィールドワークに挑戦 館外講座の様子(2022年6月25日開催)
公開日:2022年06月27日
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しごと・ものづくり講座
6月25日は静岡市沼上資源循環学習プラザ(しずモール沼上)で農学博士の重岡先生にご協力いただき「自然界に学ぶ」講座を開催しました。
自然の中から未来の仕事を見つけることの重要性を親子で一緒に学びます。
太古から進化し続けてきた生物の体型、色、機能、行動などを模倣し、活用する技術を「生物模倣技術(バイオミメティクス)」と言います。
オナモミやサトイモの葉、ドクダミ、カワセミ、ヤモリなどを例に、これら植物や生物の生態を活かした製品や仕事にどんなものがあるのかを教えていただきました。
植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)は、木質繊維(パルプ)をナノオーダー(1mmの百万分の一)にまで微細化(以下ナノ化)したものです。
透明で軽く、変形に強く、また、丈夫で高い増粘効果があります。
紙の需要が減少する製紙業界にとって新たな成長分野に位置付けられているようです。
紙の原料であるパルプから均一なセルロースナノファイバーをつくる技術は、東京大学が研究開発を進め、実用化の道を拓いたのは日本製紙株式会社とのことです。
数年前から、機能性セルロースナノファイバーの実用化商品として、大人用のおむつが発売されています。
時代やニーズに合わせて、従来の「製品」や今までの「仕事」も常に進化しているのですね。
参加者全員で、ハスの葉の生態を確認しました。
ハスの葉の表面についた水は丸まって水滴となり、汚れを絡め取りながら転がり落ち、ハスの葉表面が濡れることがありません。
この特徴を活用したのが「ヨーグルトの内蓋」です。
顕微鏡を使ってじっくりと観察します。
「こんな風になっているんだ~。この不思議が解明できて嬉しい。」と喜ぶ皆さん。
後半は、外に出て自然の中からヒントを探します。
カタバミの葉で10円玉を磨くと、あっという間にピカピカになるとのことで、早速挑戦してみます。
みるみるうちに十円玉がピカピカになりました。
カタバミの汁に含まれるシュウ酸と10円玉の表面が反応するためだそうです。おもしろいですね。
様々な植物の特徴や面白いポイントを紹介していただき、普段何気なく見ている草木についても深く知ることが出来ました。
クスノキも馴染みのある木です。
葉の匂いを嗅いでみます。
爽やかな香りがします。
木全体から香りを放つクスノキからは樟脳(カンファ―)が抽出されているようです。
それらを使って「どんなことに活かせるか」、「仕事にできそうか」を考えてみます。
子どもたちからの質問や発見に「それはおもしろいね」と重岡先生。
講座の最後に、参加者全員に感想を発表してもらいました。
- 「これからの将来、生物模倣技術から新たな産業を構築する必要があると気付きました。」
- 「自然の中から「考える力」、「発想する力」が必要になってくるのだと分かりました。」
自然に目を向けることの大切さ、不思議に思う心の大切さを親子で学ぶことができました。
重岡先生、貴重な体験をありがとうございました。