プログラムレポート
薬用植物園に行こう! 館外講座の様子(2022年4月4日開催)
公開日:2022年04月05日
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しごと・ものづくり講座
4月4日は静岡県立大学薬草園の山本羊一先生のご協力で、薬草園内の見学ツアーを開催しました。
山本先生は、造園業のお仕事経験があり、現在は薬学部の教育のための生薬として使われている薬用植物の管理に携わっています。
4月4日は、あいにくの雨でしたが、無事に開催することが出来ました。
まずは、温室を案内していただきました。
こちらの温室は、一年を通して平均25℃に保たれています。
とても暖かいですね。
栽培されている植物は、バナナ、ジャボチカバ、バニラ、シナモン、マンゴーノキ等南国のフルーツが目立ちます。
「バナナの葉は抗菌効果があります」と大きな葉を見せて下さいました。
バナナの葉はやけどの薬にも最適です。
バナナは、大きな木のように見えますが、実際は草丈2~10mに成長する多年草です。
木に見える部分は、仮茎、または偽茎と呼ばれるもので、やわらかな葉が重なり合っています。
先端の花の上部には、青々としたバナナが見えます。
栄養価が非常に高いバナナは、ビタミンB1、B2、B6等、ビタミン豊富で、食物繊維は腸を整えるので、便秘が解消するなどダイエットにもつながります。
さらに、ビタミンB群には、肌のトラブルの予防に期待できるほか、ビタミンC、β-カロテン、ポリフェノールには抗酸化作用があるので、アンチエイジングや美肌に効果的だそうです。
植物の紹介に加え、それらが私たちの身体に、どのように役に立つのかについても詳しく教えていただきました。
こちらはシナモンです。
葉の香りを嗅いでみます。
ほんのり、シナモンの香りがします。
こちらはマンゴーノキです。
東南アジア原産で、ウルシ科の常緑樹です。
マンゴーノキは、花をいっぱい咲かせますが、実のできる確率は非常に低いそうです。
こちらにはたくさんの花がありますが、全ての花に実がつくわけではないとのことです。
他にも、バニラやジャボチカバについて説明していただきました。
次は、外に出て標本園に進みます。
こちらは、漢方に広く処方される「ミシマサイコ」です。
昔、三島が良質な集荷地だったことからこの名前がついたそうです。
その他、「トウキ」については女性が好む薬草として匂いを嗅がせていただきました。
セロリのような爽やかな香りがします。
この匂いが苦手と感じる方には、同じような効果がある別の薬草が使用されるようです。
薬用植物には、葉を使うものや根を使うものなど様々です。
よく知られている「ウコン」ですが、種類によって中身の色や香りも異なります。
料理に使用されるターメリック(ウコン)やガジュツ、春ウコンを観察します。
外見はどれも似ていますが、中を見てみると、ターメリック(ウコン)はオレンジ色、春ウコンはレモン色、ガジュツは黄緑色でした。
とても面白いですね。
その他、「コムギ」、「オオムギ」、「ケツメイシ」、「パクチー(コリアンダー)」、「カモミール」など、様々な薬草を紹介していただきました。
ちょうどアミガサユリの花が見頃でした。花の模様
子どもたちの香り
1時間30分の講座で、約850種ほど育てられているうちの一部をご紹介いただきました。
まだまだ学んでみたい薬草が多くありましたね。
静岡県立大学の薬草園は平日午前9時から午後5時まで無料開放されています。
是非ご興味のある方は訪れてみてください。
とても興味深い薬用植物がたくさんあります。
大変貴重な体験をありがとうございました。
次回開催もおたのしみに。