プログラムレポート
教えて日本銀行!-にちぎん出前講座ーの様子(2021年8月12日開催)
公開日:2021年08月26日
-
しごと・ものづくり講座
8月12日は日本銀行静岡支店の皆様にご協力いただいて、「教えて日本銀行!-にちぎん出前講座-」を開催いたしました。
小学校3年生から6年生までの親子で参加できる講座です。
まず初めにこんなお話から始まりました。
「日本銀行って、一体何をしているところだと思いますか?」
ちょっと難しい質問だったようですが、簡単に言うと日本銀行は「みんなが安心してお金を使えるようにする」ということをしています。
そのためにお札を発行したり、物価を安定させたり、金融システムを安定させたりしています。
さて、そもそも「お金」って何でしょう?
お金がなかったころ、人々は物々交換をしていました。
物々交換だと生じてしまう困ったことを解決させるために「お金」が生まれました。
お金には3つの便利な機能と、の3つの条件があります。
3つの機能とは?
- モノを交換する機能
- モノの価値を測る機能
- モノの価値をためておく機能
そして、「お金がお金であるため」に以下の3つの条件があるのです。
- みんなにとって価値のあるもの
- 1つの単位が小さいもの
- 材質が変化しにくいもの
皆さん真剣に先生のお話を聞いていました。
「世の中に出回っているお札って、どのくらいあるのでしょう?」
皆さんが安心してお札を使うために、お札には色々な偽造防止のための工夫がしてあります。
それは、触ったり、すかしたり、傾けたりすると分かるそうです。
実際に、色々と確認をしてみました。
ザラザラしている深凹版(ふかおうはん)印刷は偽造の防止だけでなく、目の不自由な人にもお札が分かるように工夫されています。
明るいほうに向けると見える「すかし」は天井のライトを使って確認しました。
小さく書かれた「マイクロ文字」は虫眼鏡を使って。
傾けることで見え方や色が変わる「潜像模様」や「パールインキ」、「ホログラム」は実際にお札を傾けてみると良く分かります。
日本銀行さんが特別にブラックライトを用意してくださって、特殊発光インキがオレンジ色に光るところも見せてくださいました。
色々な技術に、大人の参加者もびっくりしていました。
様々な偽造防止の工夫をすることで、いつでもお札をスムーズにみんなが使えるようにしているんですね。
また、日本銀行ではお札をチェック(鑑査)していて、偽札は警察に報告したり、古くなったお札は回収して細かく刻み封筒やトイレットペーパーに再利用されているそうです。
常に、新しく破れたり汚れたりしていないお札が世の中に出回るようにして、みんなが安心してお金を使えるようにしています。
汚れたり破れたりしたお札でも、ある程度の大きさが残っていれば、新しいお札と交換することができます。
これも銀行のおしごとです。
簡易的な鑑定板を使って、冊子に描かれた見本のお札がいくらで交換できるか調べる「鑑定体験」もしました。
皆さんも、お札が破れたり、汚れたりしたときは銀行に持って行って交換してもらうようにしましょう。
「経済」の話もしてくださいました。
「経済」とはモノやサービスを作り出して使うこと、「生産」・「流通」・「消費」という生活の一連の流れのことだそうです。
静岡の経済は、ものづくり(製造品出荷額等)だけだとおよそ17兆円、大阪と同じくらいで国内で3~4番なのだそうです。
静岡のものづくりの中でも、際立って大きいのが「まぐろ、かつおの缶詰」・「オートバイ」・「ピアノ」・「プラモデル」。
「まぐろ、かつおの缶詰」や「プラモデル」は全国のほぼ全量を作っていて、「ピアノ」の出荷は全国で静岡だけだそうです。
色々なものづくりが静岡の経済を支えているんですね。
日本銀行はそんな日本の経済が、元気でいられるように、お金の流れを調べたり、お金が必要なところにきちんと行き渡るようにしたりもしています。
「お金」という血液が、「経済」という体の隅々まで流れるようにしてくれているんですね。
最後に、印刷されていない「模擬紙幣」の束を使って、「1億円の重さ体験」をしました。
なんと、10kgもあるそうですよ!
皆さん落とさないように、両手でしっかり持ちました。
肩で持っても重たい!
2024年に新しく発行されるお札についての情報も展示してありました。
子どもも大人も楽しめて、お金の色々なことが知れる講座でした。
皆さんもお家にあるお札をじっくり見てみてはいかがでしょうか?