プログラムレポート
自分を守る地図(まっぷ)づくり講座の様子(2021年8月10日開催)
公開日:2021年08月17日
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しごと・ものづくり講座
8月10日はNPO法人「NPOサポート・しみず」とNPO法人「静岡県防犯アドバイザー協会」の皆様にご協力いただいて講座を開催しました。
今回は実際にま・あ・る周辺を歩きながら、危なそうなところをチェックしたり、危ない時にどうするかを学びます。
まず初めに、木村先生からお話がありました。
「一人に一つしかない、大事なものって何でしょう?」
それは「命」です。
「一つしかない自分の命、自分の安全は自分で守りましょう。」
そんな話から講座は始まりました。
「怪しい人」ってどんな人でしょうか?
「サングラスの人」「黒い服の人」参加者のみなさんから色々な意見が出ます。
先生に用意していただいたイラストを見ながら考えてみます。
全身黒い服で黒い帽子をかぶって、サングラスとマスクをしている人は?
「怪しい人!」
じゃあマスクを取ったらどうかな?
「怪しい人!」
じゃあサングラスを取って、帽子を取って、スーツを着ていたら・・・?
そうです。「怪しい人」というのは実は姿や格好では判断できないのです。
ではどうやって「怪しい人」を判断するのでしょうか。
そこで先生は「はちみつじまん」という言葉を教えてくださいました。
- 「は」・・・はなしかけてくる人
- 「ち」・・・ちかづいてくる人
- 「み」・・・みつめてくる人
- 「つ」・・・ついてくる人
- 「じ、ま」・・・じっと、まっている人
- 「ん」・・・こういう人を見つけたら「ん?」と思って注意しよう!
・・・ということだそうです。
「危険な場所」については「ひまわり」という言葉も教えてくださいました。
- 「ひ」・・・ひとりだけになるところ
- 「ま」・・・まわりからみえないところ
- 「わ」・・・わかれみち、わきみちなど裏道の多いところ
- 「り」・・・利用されていない家や公園。
こういうところにはなるべく行かないように、どうしても行くことがあれば「はちみつじまん」の人に注意しましょうと教えてくださいました。
「怪しい人」はどのくらいの距離から、みんなのことを見ているでしょうか?
先生は「20mくらい」からと教えてくださいました。
また「怪しい人」がとびかかってくる距離は「6mくらい」とも教えてくださいました。
これが6mです。結構遠くのように見えて、走ると一瞬のようにも思えます。
「怪しい人」を早く見つけること、そして適切な距離を取ること、時には素早く振り向いて逃げることなど、大切なことを教えてくださいました。
「怪しい人」はどうやってみんなの近くに来るでしょうか?
例えば「鍵がなくなったから一緒に探して欲しい」、「飼い犬がいなくなったので一緒に探して欲しい」、「道が分からないから教えて欲しい」など、何かお願いをするようにしながら近寄ってきます。
「おいしいジュースを買ってあげるから一緒に行こう」、「面白いゲームがあるから一緒に行こう」・・・そんな風に皆さんの興味のあるようなことを言って近づいてくるかもしれません。
そんな時はどうするのが良いでしょうか?
- 黙っている
- 「用事があるのでダメです」と言う
- 「はい、少しならいいですよ」と言ってお願いを聞く
皆さんに手を挙げてもらいましたが、この場合は「用事があるのでダメです」としっかり断ることが大事です。
黙っていると、怪しい人たちは「黙っているから連れて行ってしまおう」と思うかもしれません。
お願いを聞いてしまうと「他のお願いも聞いてくれるかもしれないな」と思うかもしれません。
怪しい人にはきちんと「嫌です」「ダメです」と伝えましょう。そして逃げましょう。
皆さんは、防犯ブザーを持っていますか?普段どこにつけていますか?
怪しい人にあってしまって声が出ないとき、掴まれたとき、防犯ブザーを使いましょう。
「ランドセルの横」につけているという人も多かったのですが、いざという時に紐が引っ張れないところにつけていても意味がありません。
防犯ブザーはランドセルの肩ベルトのところや、腰につけるようにして、すぐに紐を引っ張れるようにしておきましょう。
また、電池が切れていると折角防犯ブザーを付けていても意味がないので、定期的に電池の確認もしましょうと、先生は教えてくださいました。
もし、怪しい人に腕を掴まれたらどうしますか?
しっかりつかんでいるようで、人間の指は開いている側があります。腕を掴まれたときは自分の腕を思いっきりブンブンさせて、相手の指が開いている側に抜くようにしましょう。
もし、両腕を掴まれたら素早く尻もちをついて、相手のすねを蹴って手が離れるようにしましょう。
それでもダメなときは噛みつきましょう。実際に噛みついたことで犯人が逃げていって防げた事例もあると先生が教えてくださいました。
さて、「怪しい人の見分け方」・「何か言われたときの断り方」・「近づいてきたときの逃げ方」を教わったら、今度は実際に街に出てみましょう。
今回は、ま・あ・るのある駅前ビル「えじりあ」を出発して、「辻一丁目公園」を目指します。
清水駅前交番の前を通っていきます。
こういういざという時に飛び込める安全な場所もチェックしておくと良いですね。
「こういう曲がり角も、危ないかもしれないね」みんなで話し合いながら歩きます。
途中、先生が怪しい人に扮して現れて、色々な方法で参加者に声をかけていましたが、皆さんしっかりと「用事があるからダメです」と断っていました。
急に出てきて、いきなり刃物(おもちゃ)を出す怖い人も出てきました。さすがにこれにはびっくり。
どうしていいか分からなくなってしまいましたが、こういう時は、後ろを向いて全力で逃げましょう。
20mを全力で走って距離を取る。大きな声で叫ぶ。防犯ブザーを鳴らす。怪しい人、怖い人から距離を取って周りの人に知らせるようにしましょう。
色々なことがありましたが、何とか「辻一丁目公園」に到着しました。
公園ではまず、先ほどの話に出ていた「怪しい人が見ている」という20mを測ってみました。
このくらいが20mです。結構遠くから怪しい人は様子を見ているんですね。
そして実際に怪しい人が近づいてきたら、くるっと後ろを向いて、とにかく逃げましょう。距離を取りましょう。
代表者に走る練習をしてもらいました。
しっかりと振り向いて、飛びかかってこれない6m以上まで逃げましょう!
公園での実習が終わったので「ま・あ・る」に帰ろうとしていると・・・?
怪しい人の距離!20m!
いなくなった犬を探しているみたいです。
困っている風に見えるかもしれませんが、子どもが一人で知らない人のお願いを聞かないように、しっかりと断りましょう!
帰ってきたら、今日のことをまとめました。
「どんなところで怪しい人に声をかけられたかな?」「どんなところが『ひまわり』になりそうなところだったかな?」地図の上に、怪しい人人形を付けていきます。
地図の上に立ててみることで、立体的にとらえることが出来て、「怪しい人がいそうなところ」「一人で行くと危なそうなところ」がたくさんあることが分かります。
外出前に学んだことも、紙にまとめて書きました。
実体験を通して、しっかりとまとめることが出来ました。
先生は最後に、怪しい人から逃げておうちについたときにどうするか教えてくださいました。
それは「大人に報告をする」ことです。
いつ、どこで、どのくらいの背の人に(身近な人と比べて)、服や帽子の色、メガネの有無、どっちに逃げていったかなど、大人に報告をしましょう。
そんなに細かいことを全部覚えることが出来ない時は、一つだけ逃げている時に変えるのが難しいところがあるから、覚えて欲しいと先生が教えてくださいました。
それは「靴」です。逃げている時は靴を履いていますし、履き替える靴をわざわざ用意している人もあまりいません。
裸足で歩いていたら、それはそれで怪しい人です。
もし、怪しい人に会ってしまったら「靴」をまず覚えてくださいと先生がおっしゃっていました。
今日のまとめが終わったら、皆さんそれぞれ、今日一番印象にのこったことを発表しました。
今回は、「ま・あ・る」の周りをチェックしてみましたが、自分の家の周りの地図に「ひまわり」なところをまとめてみても良いですね。
夏休みが終わっても「怪しい人」がいなくなるわけではありません。
毎日、外に行くときは気を付けるようにしましょうね。