プログラムレポート
薬剤師に学ぶ アロマ虫よけスプレーづくり講座の様子(2021年7月11日開催)
公開日:2021年07月12日
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しごと・ものづくり講座
7月11日は、薬剤師の八木里香先生のご協力で「アロマ虫よけスプレーづくり」講座を開催しました。
午前中の回はMJVのりおくんも手伝いに来てくれました。
※MJVとは・・・小学生時代にこども店長として活動していた中高生のことです。
虫よけスプレーを作る前に、先生のクイズから始まりました。
「医療従事者」とはどんな人のことを言うのでしょうか?
皆さん悩みながら書いてみます。
「医療従事者」とは医者や看護師、専門技師や栄養士、医療事務員など、主に病院やクリニックで働く人のことを言います。
薬剤師も医療従事者のひとつで、病院で働いている人もいれば、調剤薬局などで働いている人もいます。
それでは次の問題です。
ラーメン屋さん、調剤薬局、コンビニの中で日本でお店の数が多いのはどれでしょう?
調剤薬局とコンビニで意見が分かれましたが、何と答えは調剤薬局でした。
2017年のデータでは、調剤薬局は約58,000店舗。コンビニは約55,000店舗。
(なんと2019年度末だと、調剤薬局は60,000店を超えていました。同じ時期のコンビニは55,000店でした。調剤薬局はどんどん増えていますね。)
先生は最近の医療事情についてもお話してくださいました。
1950年頃、人口ピラミッドは0歳が一番多い三角の形をしていて、病院に来るのはケガをした若い人が多く、完治をして帰っていくことが多かったそうです。
2015年頃になると生活の仕方に変化が現れ、若い人たち、子どもたちの比率は少なくなり、年配の方のほうが多くなっています。
こうなってくると、病院に来るのは年配の方が多くなり、完治も難しく、退院をしても家でのケアが必要な状態になってしまうこともあるそうです。
2050年、今日の講座の参加者が働き盛りになるころには、もっと年配の方が多く、子どもたちが少なくなることが予測されているというお話もされていました。
今後は気軽に病院に行けない人たちのための「在宅医」「訪問介護士」のように「訪問薬剤師」も主流になって、薬局は身近な医療人として健康相談や衛生用品の販売などの仕事も増えていくのではないかというお話でした。
参加者の皆さんが大人になるころには、薬剤師のお仕事はもっと重要になってくるかもしれませんね。
後半戦は、アロマ虫よけスプレーづくりです。
世の中には色々な虫がいます。
クワガタや、カマキリ、ダンゴムシや、ちょうちょなどは、人間に害をもたらさない虫です。
蚊やダニ、蜂やアリなどの、毒を持っていたり、伝染病を広げたりする虫は人間に害をもたらす「害虫」と呼ばれます。
そんな虫に刺されるとどうなってしまうか。
かゆくなったり、腫れてしまったり、時には倒れて死んでしまうようなこともあります。
特に、蚊や蜂は匂いに敏感で、好きな匂いのところには集まって、嫌いな匂いのするところには近寄りません。
身近な害虫に刺されたり、噛まれたりしないために虫よけをすることは大切なんだと先生はおっしゃっていました。
蚊が嫌いな匂いに「レモングラス」や「ペパーミント」があります。
蜂よけには「ひば」や「ペパーミント」がよく使われます。
まず、ティッシュを入れて「精油」を垂らした紙コップを使って、色々な香りを確かめました。
今回は「レモングラス」「ペパーミント」「クローブ」「ひば」「グレープフルーツ」の5つの香りをみんなで確認しました。
匂いを確認しながら「歯磨き粉の匂いだ!」とか「木の匂いがする」「これはあんまり好きじゃない」「こっちは好き」など色々な感想が出ました。
今回は香りを2つ決めて「調剤」をしました。
まず、「消毒用エタノール」をきっちり10ml量ってスプレーのボトルに入れます。
そこに先生が「精油」を垂らしていきます。
自分で決めた「精油」を何滴垂らすか先生に伝えて、自分だけの分量で作りました。
2種類の「精油」を入れたら、蓋をしてしっかり混ざるように振ります。
しっかり混ざったら、今度は「精製水」をきっちり20ml量ってボトルに入れます。
ビーカーをきちんと横から見て、線に合わせて分量を量ります。
精製水もボトルに入れて、蓋をしてよく混ぜれば、アロマ虫よけスプレーの完成です。
スプレーが出来たら、先生が作ってくださったラベルに、「調剤者名」「成分(何の精油を何滴入れたか)」「期限」をきちんと書いて、ボトルに貼ります。
防腐剤などは入ってないので1か月くらいで使い切るように「期限」には「8月11日」と書きました。
おうちでも使ってみてくださいね。
最後に、先生から色々な形のお薬の話がありました。
粒や粉の「飲み薬」や「貼り薬」、患部に直接つける「目薬」や「塗り薬」、肺にお薬を届ける「吸入薬」というのもあります。
最近は水を使わずに口の中で溶ける「OD錠」というのも、主流になってきているそうです。
錠剤が飲み込みにくかったり、災害で水がなかったりする時でも服用することが出来るからだそうです。
同じ効果がある薬でも、副作用があったり、患者さんの状態によって適切なお薬の形は変わります。
しっかり患者さんとお話をしたり、様子を見たりして、病院の先生と相談をして、患者さんに寄り添って使いやすいお薬を決める薬剤師さんのお仕事のお話を、みなさん真剣な眼差しで聞いていました。