プログラムレポート
マンガを描こう! ペンとインクを使って模写に挑戦 講座の様子(2021年6月20日開催)
公開日:2021年06月21日
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しごと・ものづくり講座
6月20日はゲームクリエイターの岩本三四郎先生のご協力で、「マンガを描こう!ペンとインクを使って模写に挑戦」講座を開催しました。
『ま・あ・る』では大人気の講座で、毎回多数のご応募をいただいております。
まずはじめに先生から、マンガを模写する時の流れやコツについて、説明をしていただきました。
模写をする時は、まず大まかに「どこに何を描いて」という「あたり」をつけます。
そして、なるべく細かく絵を分けて移します。
そうすることで、全体のバランスもとれて、細かいところまで描くことが出来ます。
その後、自分が模写したいマンガを決め、大体のバランスを取るために、コピー用紙にイメージを下描きしていきます。
下描きが出来たら、今度はマンガ用の原稿用紙に下描きをします。
今回はA5サイズのケント紙を用意しました。
先ほど大まかに描いたバランスを意識しながら、ケント紙に描いていきます。
下描きが終わったら、ついにペン入れです。
マンガのペン入れには、主にGペンというペンを使います。
ペン入れの前に、Gペンの仕組みを教わりました。
Gペンはペン先の隙間にインクをためて、力を入れると先が開いてたくさんのインクが出て、太い線が描けます。
力を入れずに描くとペン先が開かず、細い線が描けます。
一本の線の中でも太いところや細いところがあるのは、こういう訳だったんですね。
少し集まって一通りペン入れの様子を見てもらいました。
仕組みを理解して練習すると、しっかり身につきますね。
実際にペン入れに挑戦するときは、先生が一人一人の机に行って指導してくださいました。
練習用の紙に、色々な線を引いてみます。
どういう持ち方をして、どっちの向きにどういう力を入れて描けばどんな線が描けるか、丁寧に教えてくださいました。
白いケント紙に、黒いインクで線が引かれます。
下描きにはなかった、はっきりとした黒で描かれて、画面にコントラストが生まれて急に本物のマンガのようになりました。
ペン入れをする時も、元のマンガがどういう線を描いていたか、きちんと確認しながら進めていきます。
どこで力を入れて、どこで力を抜いているか、線を見ながら想像して、再現していきます。
途中で休憩を各々しっかりとりながら、進めていきました。
絵を描いていると、頭の中でいい流れになってきて、どんどん描き進められることがあります。
そういう時は体が前のめりになっていたり、肩が狭くなっていたり、すごく集中したりしています。
体や心を緩めて休憩を取るのも、大事な仕事の一部です。
ところで、マンガにはインクが付いているところ(黒)とインクの付いていないところ(白)しか、ありません。
でも、マンガをよく見てみると薄い影のようになっているところがあります。
そういったところには、「スクリーントーン」というシールのようなものが貼ってあります。(写真右)
スクリーントーンには細かい黒い粒が描いてあったり、細かい線が描いてあったり、模様が描いてあるものもあります。
先生がスクリーントーンについてもしっかり説明してくださいました。
スクリーントーンの貼り方も、まず先生のところに集まって、見本を見せてくださいました。
「使いたいところにだけ、トーンを貼って、なるべく無駄が出ないようにするように」と先生はおっしゃっていました。
ペン入れが終わった参加者のところには先生が行って、スクリーントーンの使い方を再度教えてくださいました。
軽く貼って、必要なところを切り取ったら、しっかりと貼り付けるようにします。
トーンを切るときの力加減はとても難しく、力が弱いとトーンが切れないのですが、あまり力を入れてしまうと下の原稿用紙まで切ってしまいます。
皆さん慎重にトーンを貼っていました。
広いところを真っ黒にしたい場合は筆ペンで塗ったり、トーンを貼った後でグラデーションをつけたいときはトーンを削ったり、他にも色々なテクニックがあることも教えてくださいました。
デジタルで描くとあっという間に真っ黒にできたり、トーンを貼ったり出来ますが、アナログで描くときは全てが手作業で、一つ一つに丁寧さが求められますね。
講座の最中、先生は何度も「初めから上手に描ける人はいないから、今はとにかくたくさん描くことが一番上達出来る。」とおっしゃっていました。
デジタルで描くときも、アナログで描くときも、描きつづけることが上達につながるんですね。
これからもたくさん絵を描いて、どんどん上達しましょう!