プログラムレポート
名前を入れたオリジナルスプーンをつくろう! ちびっこ親子向け講座の様子(2021年3月18日・19日開催)
公開日:2021年03月20日
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ちびっこプログラム
3月18日・19日は、ちびっこ親子向けの「名前を入れたオリジナルスプーンをつくろう!」講座を開催しました。
講師は沼津で小野銅工店を営まれている、鍛金師の小野裕康先生です。
小野先生は色々な金属を木槌や金槌で叩いて日用品や装飾品を作ったり、様々なところで講座やワークショップを開催されています。
今日はその中から、小さなデザートスプーンと大きなカレースプーンを作る講座を開催してくださいました。
未就学児親子向けに開催するのは今回が初めての試みです。
色々な道具があります。
金槌だけでも今回は4種類用意していただきました。
金床や、丸棒、木の土台も使います。
まずは、スプーンの素材を選びます。今回は銅と真鍮の二種類の合金から選んでいただきました。
先生は「銅は十円玉、真鍮は五円玉」と分かりやすく説明してくださいました。
カレースプーンは、大人の方にやってもらいます。
あらかじめ先生がある程度の形を作ってくださったスプーンを、当て金と平たい金槌(”からかみ“というそうです)を使って
スプーンの形を丸くなめらかにしていきます。
デザートスプーンはお子様にやってもらいました。
こちらは金床と頭の丸い金槌(”いもづち”と言うそうです)を使って、叩いて広げていきます。
しっかり平らに叩いていくことで、スプーンの受け皿部分が硬くなっていきます。
みなさん手元に注意しながら、慎重に、力強く叩いていきます。
デザートスプーンの先が硬く広がったら、今度は丸いくぼみのある木の土台と、大きな丸い金槌を使ってスプーンを丸くするために叩いていきます。
叩く金属と同じ素材の金槌を使うことで、作品に傷が付きにくく形作りが出来るそうです。
トントン、トントンと叩いていくと、土台の丸い形に合わせるように、金属の板が丸くなっていきます。
スプーンのお皿の部分が出来あがったら、柄の部分に名前を入れます。
アルファベットの刻印を短い金槌を使って力強く打ち込みます。
柄が短い方が、狙いが正確に、しっかりと打ち込めますね。
慎重に、練習用の板で練習をしてからやりました。
柄の部分に名前を入れたら、柄の部分が手になじむようにするために、木の土台の上でいもづちを使って叩いていきます。
わくわくアトリエ中に、トントン、トントンの音が響きます。
柄のカーブがなめらかになって形が決まったら、スプーンの外側をやすり掛けします。
スプーンが触れる口や指は、感覚が鋭いところなので、しっかりやすり掛けをして、なめらかに仕上げていきます。
やすり掛けが終わったら、金属磨きクリームでしっかりと磨きます。
しっかり磨いてピカピカになったら完成です!
出来あがった作品は、小野先生手作りの袋に入れて持って帰っていただきました。
「スプーンのお布団だね」と皆さんから完成を喜ぶ声が聞こえてきました。
真鍮には「時効硬化」という特徴があって、1年くらいするともっと金属が硬くなるそうです。
「お手入れをしっかりすればずっと使えるものです」と先生が仰っていました。
ぜひ作った時のことを思い出しながら、ご家庭でたくさん使ってみてくださいね。