プログラムレポート
ラジオを作ってみよう 講座の様子(2023年3月19日開催)
公開日:2023年03月30日
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しごと・ものづくり講座
3月19日は静岡県電波適正利用推進員協議会の皆様のご協力で、電波について学び、ラジオを作る講座を開催しました。
電波適正利用推進員は総務省総合通信局と連携して電波の適正利用に関する周知啓発活動や相談業務などを行うほか、必要な場合には総合通信局への取り次ぎなども行っている人たちです。
電波って何?
講座のはじめに今日の先生である、篠田さんから電波についてのお話がありました。
「皆さんの周りに、電波を使っているものは何があるでしょうか?」
スマートフォン、テレビ、ラジオ、電子レンジ、実に色々な物に電波が使われていますね。
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自動でお会計をしてくれるレジ。一体どういう仕組みになっているんでしょうか?
服についているタグを透かして見ると、アンテナやICチップが入っていることが見えました。
これを箱の中に入れて、タグから出て来る電波をキャッチして、計算することで一瞬でお会計ができるようになっているんですね。
このように、様々な情報通信技術(ICT)の発達によって、電波は私たちの生活をとても便利にしてくれています。
篠田さんは「電波は限りある資源」だということも教えてくれました。
日本には「電波法」というものがあって、300万メガヘルツ以下の電波を区切って、それぞれの通信に使っていい電波の周波数を決めています。
AM放送、FM放送、テレビ、携帯電話、衛星通信など、電波を用途によって区切っているんですね。
そして、その使っていい周波数の電波の区切りを守っている機械には「技適マーク」をつけることが法律で義務付けられています。
技適マークはどれでしょう。
お馴染みの、ミニロボの中に入っている基盤にもちゃんと「技適マーク」がついていました。
しかしながら昨今、オンライン通販などで購入できる海外のものにはこの「技適マーク」がついていないものもあるそうです。
「技適マーク」がついていないものは、大切な通信を邪魔してしまうので、日本では使うことができません。
違法な電波が飛んでいないか、常に見守る仕組みもあります。
もし、違法な電波を使用してしまうと「電波法違反」といいうことになってしまいます。
また、違法な電波は、電波を邪魔してしまうので電波の本来の利用が正しくできなくなってしまう原因にもなります。
皆さんも、お家の中にある電波を使うものにちゃんと「技適マーク」がついているか確認してみましょう。
「デンパ君と学ぼう!~ おもしろ電波教室 ~の動画」やクイズなどを通して、正しい電波の利用法が分かりました。
正しい電波の利用法について分かったら、AMラジオを作ってみましょう!
ラジオを作ってみよう!
AMラジオを作るキットの中には、基板やコンデンサ、トランジスタなど色々なパーツが入っていました。
入っている部品に間違いがないか、しっかりチェックをしてからラジオ作りのスタートです。
それぞれの電子部品をはんだ付けしていきます。
はんだづけの方法を篠田さんが教えてくれました。
はんだごてを、はんだ付けしたいところに近づけて熱しておき、はんだのワイヤーを近づけて溶かします。
はんだが溶けたらワイヤーを離してから、はんだごてを離します。
溶けたはんだがきれいな富士山の形になっていたら、大成功です!
電波適正利用推進員の皆さんが、きちんと指導してくださったので安全に作業を進めることができました。
コンデンサやIC、トランジスタを取り付ける向きや種類には特に注意して作業をしました。
余分なワイヤーはニッパーで切ります。
ワイヤーが飛んでいかないように、しっかり押さえて切りました。
最後にイヤホンのワイヤーをはんだ付けしたら、ラジオの完成です!
使い方を推進員の皆さんに教わりながら、ラジオを受信してみましょう。
電波は金属があると反射してしまうと、初めに教えてもらいましたね。
『ま・あ・る』がある「えじりあ」は鉄骨で囲まれているので、なるべく窓側に寄ってラジオについているポリバリコンを回してAM電波をつかまえます。
なんでもホールの色々なところから「聞こえた」「聞こえるね」と声がしました。
ラジオ作り、大成功です。
篠田さんに今回作ったラジオの仕組みも教えてもらいました。
- まず電波をつかまえます。
- つかまえた電波の中から、増幅させたい部分を選び出します。
- ICを使って電波を増幅させて、必要なところだけ取り出します。
- コンデンサで電波を音声信号に変えます。
- トランジスタで音声信号を大きくします。
- 大きくなった音声信号がイヤホンを伝って耳に届いて聞こえます。
それそれのパーツが役割を果たしてきちんと動いてくれることで、あたりを飛び交っている電波放送を音声信号に変えて聞こえるようになるんですね。
立派なラジオが出来上がったので、篠田さんから修了証を貰いました。
講座の最後、質問タイムに篠田さんからアマチュア無線のことについて教えてもらいました。
アマチュア無線は中波から極超短波と呼ばれる間の電波を使っていて、アマチュア無線をやっている人たち同士でお金を出し合って無線局を管理しているそうです。
こういった独自の無線局があるおかげで、携帯電話の中継局が使えない時でも、アマチュア無線の免許を持っている人たちは情報交換をしあうことができるんですね。
「皆さんも、色んな情報が、どんな道筋をたどって自分のところに届いているか考えたり、調べてみたりしてくださいね」と篠田さんがお話されていました。
推進員の望月さんは「ラジオじゃなくても、何かに興味を持てば、興味を持ったところから色々な仲間が増えていくので、自分が興味を持ったことを続けてくださいね」と言ってくれました。
推進員の皆さんの中には自作のラジオをたくさん作っている人もいます。
興味を持ったことを続けて、仲間をたくさん見つけることって、大切ですね。
電波適正利用推進員の皆さん、楽しい講座をありがとうございました!