プログラムレポート
風力発電機を作ろう! 講座の様子(2023年3月11日開催)
公開日:2023年03月12日
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しごと・ものづくり講座
3月11日は日立清水理科クラブの皆様にご協力いただき、風力発電機の仕組みを学ぶ講座を開催しました。
日立清水理科クラブは、日立製作所グループのOBの皆様により設立された団体です。
モノづくり教室の開催や、小学校の理科授業支援など、自然の神秘や不思議さに目を見張る感性を持った理科好きの子どもを育てる活動をされています。
今回は、服藤先生に風力発電機の仕組みを教わってから、実際に風力発電機を作ります。
発電機の仕組みを学ぼう!
火力発電、水力発電、風力発電と色々な発電方法がありますが、これらの発電機の基本は全て同じです。
先生は、分解した発電機の中身も見せてくれました。
みんなでじっくり観察しました。
発電機の中には、磁石の入った筒の中にコイルが入っています。
コイルの真ん中には軸がついていて、筒の中でコイルが回るようにできています。
磁石(磁場)の近くでコイルを回すと、磁場の磁界の方向と、コイルが回転する方向によって、電流が発生します。
この時に発生する電流の向きは「フレミング右手の法則」という直行する3つの軸の方向で表すことができます。
ちょっと先の話になりますが、覚えておいても良いかもしれませんね。
ところで、この発電機の形、どこかで見たことありませんか?
そうです。モータです。
「磁石の近くでコイルを回すと電流が発生する仕組み」は、逆転すると「磁石の近くのコイルに電流を流すと軸が回る」という仕組みに変わります。
これがモータです。
それぞれの発電所で作られた電気は送電線を通って、各家庭に運ばれて、お家の中の色々なモータを回します。
先生が発電から送電、お家での利用までの流れを風力発電機を使って見せてくれました。
大きな発電機以外にも、色々と身近な発電機がありますよね。
お家で探してみるのも楽しそうですね。
「何故、風車は回るのか」ということも先生は教えてくれました。
それには軸についている羽のついている角度や羽根の形が、ポイントです。
羽根の付いている角度が違うと、風の力を受ける角度が変わるので、回る向きや速さが変わります。
前の風車と、後ろの風車の回っている向きが反対になっていることや、回る速さが違うことが見えるでしょうか?
これがもう羽根の角度によって得られる「抗力」による回転です。
もう一つが「揚力」によって得られる回転です。
飛行機は本体の両側にバランスよくついた翼の形と、ジェットで前に進む力を使って、上に持ち上げる力を得ています。
これが「揚力」です。
では、翼が本体の片方にしかついていなかったらどうでしょう?
片方にだけ持ち上げる力が働いて、進み続ける限りくるくる回ってしまうのではないでしょうか?
服藤先生が、今回の風力発電機についてまとめてくれました。
「風の力を羽に受けて、回転軸を回すことで、磁界の中でコイルを回し電流を生み出して、LEDを光らせたり、オルゴールを鳴らしたりする」ということですね。
皆さん真剣に先生の話を聞いていました。
風力発電機を作ってみよう!
風力発電機の仕組みが分かったら、早速作っていきましょう!
まず初めに、風車を作ります。
先生が用意してくれたペットボトルを切って風車にします。
つけられた印の通りに、ペットボトルを切っていきます。
印の通りにペットボトルを切ることができたら、広げて風車の羽根の形にしていきます。
広げることができたら、羽根に角度をつけていくのですが、ここがポイントです!
服藤先生が教えてくれた通り、風車の羽根には色々な力が働いて回転するのですが、きれいに回転させるためにはコツがいります。
決められた向きにきちんと曲げておかないといけません。
難しいところは先生たちが教えてくれました!
羽根が出来たらLEDとオルゴールをつけるお家を作ります。
はさみやカッターの使い方、上手な紙の折り方も先生たちが教えてくれました!
お家が完成です!
全てのパーツが出来上がったら、組み立てていきます。
ドライバーを正しく使って、風車を取り付ける棒を付けました。
土台に棒を取り付けたら、お家と風車もつけます。
棒の先に風車を取り付けたら、風車につけられた発電機から出ている線を、お家から出ているLEDとオルゴールの線に繋げて完成です!
風を当てて回してみましょう!
羽根がしっかりと風を受け止めて、軸を回転させました。
軸の回転が発電機の中のコイルを回して、そこで電流が発生しているんですね。
力強く風を送らないと必要な電力が得られないことが分かりました。
上手く回らない時は、羽根の角度を調節します。
今回の風力発電機の羽根の部分はペットボトルで作られているので、是非お家でも色々な形の羽根を作って実験をしてみてください。
羽の長さを変えてみたり、ひねり方を変えてみたり、どうすれば一番よく軸を回すことができるでしょうか?
服藤先生は、2021年のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎さんの言葉を紹介してくれました。
「『なぜ』と感じたことにこだわり続けることが大切だと思います。」
これから、皆さんも「なぜ」と感じたことにこだわって、調べてみたり、作ってみたりしてみてくださいね!