プログラムレポート
フュージング体験! 講座の様子(2022年4月30日開催)
公開日:2022年05月15日
-
しごと・ものづくり講座
4月30日は工房リーフの市川さつき先生と岡部潔先生にご協力いただいて、「フュージング」という技法でガラスのアクセサリーを作る講座を開催しました。
早速、「ミルフィオリ」というベネチアンガラスを使ってデザインを決めていきます。
ミルフィオリとはベネチアに古くから伝わる伝統技法で、溶けたガラスを型に押し込みながら、何層もの模様を作る技法で作られたガラスのことです。
溶けたガラスをゆっくりと引っ張って太さを調節しながら冷ましていきます。
曲がったまま冷えて固まってしまわないように、慎重に素早く作る職人のテクニックが詰まった作品です。
このミルフィオリを自由に選んで、自分だけの柄を作ります。
デザインが出来たら、四角い板ガラスに接着剤をつけて並べていきます。
ピンセットを使って慎重に作業をしましたよ。
電気炉に入れる前はこんな感じです。
ミルフィオリの粒が一つ一つ並んでいますね。
板ガラスに並べることが出来たら、潔先生が順番に電気炉の中に入れてガラスを溶かしてくれます。
この、ガラスを溶かしてくっつける技法を「フュージング技法」と言います。
今回使ったガラスは大体800度くらいで溶けるようになっていて、溶けている様子を見せてもらいました。
少し顔を近づけると、電気炉から出てくる熱が感じられましたね。
電気炉の中のガラスはオレンジ色になっていました。
冷えてくると元の色に戻るそうです。
電気炉でガラスを溶かしている間、ミルフィオリが出来るまでの映像を見ました。
真っ赤になった炉に金属の棒を指してガラスをからめとり、形を整えます。
筒状の型にはまる大きさになったらまだ柔らかいガラスを型に押し込んで形を作ります。
型の形が色々あって、組み合わせが無限にあるので、ミルフィオリ(千の花)と呼ばれているそうです。
筒状の型に何回入れたかは、模様が何層になっているか数えればわかります。
みんなで数えてみました。中には7層もの模様になっているものもありましたよ!
映像を見ながら、先生のお話を聞いたら、ワークシートにもチャレンジしました。
「ミルフィオリ」ってどんな意味だったかな?
「ベネチア」はどこにあったかな?
ちょっと難しかったけど、先生のお話を聞いてしっかり分かりましたね。
電気炉で溶かす時間が10分程度、ガラスを冷ますのには1時間程度かかります。
砂の中でゆっくり冷ますことで、割れにくいガラスになるそうです。
カットする前のミルフィオリも見せてくれました。
細い棒のガラスの中に、細かい模様が見えましたね。
ミルフィオリを切るところも見せてくれました。
丸い刃がついたハサミのようになっている道具で、棒状のミルフィオリを切ります。
少し長いミルフィオリを入れて挟むと「ザグザグ」と音を出しながら切れて、ポケットの中に落ちていきました。
母の日も近かったので、さつき先生が紙細工のカーネーションの作り方も教えてくれました!
とっても素敵に出来ました!
贈り物にする時にちょっとついていると気持ちが伝わりますよね。
作品が冷えるまで、潔先生がガラスについての色々な話をしてくれました。
眼鏡や電子レンジ、オーブントースターの扉、窓、試験管など色々なところにガラスは使われています。
ガラスは他の素材と化学反応を起こしにくく、透き通っているので、熱しながら観察をすることが出来ます。
外界と遮断して、外を見ることが出来るので、宇宙ステーションや深海探査船にもガラスが使われています。
ガラスがなければ、色々な科学の発展はなかったんじゃないかな?と潔先生は言っていました。
冷まして砂から出すと、ガラスが溶けてくっつきあって丸くなっていました。
出来上がったフュージングのモチーフに、さつき先生がアクセサリーパーツをつけてくれました。
ネックレスやキーホルダー、ストラップなど皆さん色々なアクセサリーが出来上がりました。
またの開催を楽しみにしてくださいね!