プログラムレポート
未来の仕事を自然の中から見つけてみよう 講座の様子(2020年10月24日開催)
公開日:2020年10月27日
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しごと・ものづくり講座
10月24日は、静岡市沼上資源循環学習プラザ(しずもーる沼上)のご協力で、農学博士の重岡先生による講座が開催されました。
今回はフィールドワークを交えながら、循環型経済の観点より自然の中からヒントを得て、仕事として成り立つものを探してみようをテーマに講座が展開されました。
循環型経済とは、「廃棄」されていた製品や原材料などを新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのことです。
まずは重岡先生に館内にて、自然に関する未来の仕事や、生物模倣技術などについて教えていただきました。
ハスやサトイモの葉っぱは、水滴をよくはじき、まったく濡れません。
この自然の原理をヒントにヨーグルトの内蓋は開発された事を教えていただきました。
早速、ヨーグルトの内蓋の表面を顕微鏡で観察します。
「表面がざらざらしているよ」「小さな粒が敷きつめられているよ」と子ども達からの率直な感想です。
その他マジックテープ等、生物模倣技術から商品化されたものも顕微鏡を使ってじっくりと観察しました。
そして、実際にサトイモの葉っぱには水を垂らして撥水効果を確認しました。
面白いほど水をはじき、水のボールがいくつも出来ました。
保護者の方々も子ども達に続いて観察をしました。
今回のようにお子さんと一緒に学ぶ機会は大事ですね。
いよいよ外へ出て本物の自然を見ながら先生に解説していただきます。
植物・生物から学ぶ事は無限にありますし、我々が解明しきれていないことも多く存在します。
私達は、自然から計り知れない恩恵を受けています。
「みんなも仕事になりそうなものを発見してみて」と先生から問題が課されました。
手に触れ、草木の匂いを嗅ぎながら、「こんなことできるかな」と考える時間はとても楽しいですね。
みんなの若くて柔らかな頭を使って、色々なアイデアをください。
『「なぜ」「どうして」と疑問を抱くことはとても大切』と、重岡先生は講座中何度も子どもたちに伝えてくれました。
大人になるにつれ、あらゆることに対して気付きが薄れてしまうことは否めません。
今回のような時間は子どもを通して私達自身が考えさせられることが多くあったように感じます。
フィールドワークを終え、館内に戻り、今回の感想を一人ずつ発表してもらいました。
今回の講座では、生物模倣技術を通して産業に繋げていくことへの重要性に加え、自然に触れ、そこから学ぶことの大切さも同時に教えていただきました。
自然界の植物や生物も他生物の力を借り、依存したり、支え合いながら生存しています。
私達人間界も全く同じですね。
今回のように自然を通した学びの機会を今後も作っていければと思います。
次回開催も楽しみにしていて下さい。